みなみ、プロ転向後初V!4年7カ月ぶり歓喜「泣きたかったあ」

[ 2018年11月19日 05:30 ]

女子ゴルフツアー大王製紙エリエール・レディース最終日 ( 2018年11月18日    愛媛県 エリエールGC松山=6525ヤード、パー72 )

優勝を決め、ギャラリーの声援に応える勝(撮影・井垣 忠夫)
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 首位スタートの“黄金世代”勝みなみ(20=明治安田生命)が65を叩き出し、通算20アンダーで、17年のプロ転向後初のツアー優勝を飾った。史上最年少の15歳293日でアマチュア優勝を果たした14年4月のKKT杯バンテリン・レディース以来となる通算2勝目。同じく首位スタートの2位松田鈴英(20=ニトリ)に4打差をつける圧勝だった。韓国のアン・ソンジュ(31)が4年ぶり4回目の賞金女王を決めた。

 4年7カ月ぶりに味わう歓喜の瞬間。ずっと支え続けてくれた家族やともに切磋琢磨(せっさたくま)してきた同じ黄金世代の仲間が最終18番グリーン脇で待っていた。号泣まで覚悟していた優勝シーン。しかし、勝の目から涙があふれることはなかった。

 「凄い楽しかったんですよ。優勝も意識せずに昨日と同じような感じで回れたので、そこは良かったし、ノーボギーだったこともうれしかったし、今シーズン初めての最終日最終組もうれしかったし、その中で優勝できたことも。もううれしいがいっぱい。ああ、泣きたかったあ」

 松田、上野と平均年齢19・3歳の最終組。目を輝かせながら学生時代の過ごし方などを質問してくるアマチュアの上野に史上最年少優勝を飾った高校1年生の自分を見ていた。「懐かしいなあ」。数多くの経験を積み、大人になった今の自分はきっと強くなっているはずだ。出だしの連続バーディーでスタートダッシュを決め、9番からの3連続バーディーで中押し、初日にOBを打った14、15番も難なくクリアし、17番のバーディーで優勝を確信した。この7個のバーディー全てがピンそば2メートル以内につけるスーパーショットから。「初めて試合に出たくないと思った時期がありました」。9試合中棄権を含む8試合で決勝進出を逃した人生最悪のこの秋のスランプ。左右にOBを連発し、悔し涙を流した勝の姿はもうなかった。

 日本ゴルフ界に衝撃を与えた初優勝。2勝目を手にする瞬間はすぐにでも訪れるはずだったが、勝が足踏みを続けている間、畑岡、新垣、大里ら同世代のライバルが次々にプロ初優勝を成し遂げ、その中の1人、畑岡は世界最高峰の米ツアーで既に2勝。“黄金世代”の主役は完全に入れ替わった。「また(優勝の)チャンスは来ると思ってましたけど、正直、こんなに遅くなるとは思ってませんでした。でも悔しさはないです。自分は自分だから」と笑う勝。今週のメジャー、LPGAツアー選手権リコー杯からさあ反撃。強いみなみが帰ってきた。

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2018年11月19日のニュース