関学大56度目リーグV RB山口&QB西野 最上級生が奮闘

[ 2018年11月19日 05:30 ]

第1Q、先制のタッチダウンを挙げ、西野(18)らに祝福される関学大・山口(左)(撮影・北條 貴史) 
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 4年生で王座奪回だ。リーグ最終節の2試合が18日、大阪府吹田市の万博記念競技場で行われ、関学大が31―7で立命大に快勝。2年ぶり56度目のリーグ優勝を決めた。RB山口祐介が先制TD、QB西野航輝が流れを変えるタクトと、最上級生が奮起。宿敵を圧倒した。敗れた立命大は西日本代表決定戦準決勝で名城大(東海代表)と25日に対戦。勝者が来月2日、関学大と甲子園ボウル出場をかけて戦う。

 わずか2プレーで、王座奪回のシナリオを完成させた。手探りの状態で2度ずつ攻撃した直後のシリーズ。自陣39ヤードまで進めた第1ダウンは、初めてQB西野に託された。「僕が試合に出るのは、負けている時か、チームが苦しい状態の時。心の準備はできていた」

 昨年の正司令塔。最上級生になり不動と目された定位置は、2学年下の奥野に奪われた。打ち砕かれた自信とプライド。甲南大戦(10月7日)後のハドルでは、鳥内秀晃監督から名指しでプレーを叱(しっ)責された。「昨年なら“オレが一番”という気持ちだったけど、自分ができることをやっていこう、と」。年下のライバルが見せる実力も、心境の変化をアシスト。初めての立命大戦で先発する背番号3に、素直な気持ちで「楽しんでこい」と助言を送った。

 プレーコールはTE対馬へのパス。落ち着いて9ヤードを通した後、RB山口が陣形に入った。「試合前はかなり不安だった。全然、練習できていなかったので」。前節の関大戦で負傷退場。痛み止めを飲み、プレー数を限定して大一番のフィールドに立った。得意のカットバックで密集を抜け、52ヤード先のエンドゾーンへ。「先制点が大きかったな」。闘将に言わしめたTDでつかんだ主導権を最後まで離さなかった。

 「4年生?今日くらい頑張ってもらわんと、意味ないからな」

 らしい表現で、鳥内監督は称えた。「優しすぎる」と評した学年。練習でミスしても、お互いに指摘できない空気がいつも不満だった。「まあ、向こうも手の内を見せていなかったし、次は大変ですわ」。順当なら、2週間後に訪れる再戦。戦う集団に変わった4年生が再び先頭に立つ。

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2018年11月19日のニュース