【岡崎真の目】羽生 プログラム慣れれば問題ない、演技時間短縮で密度濃く

[ 2018年9月24日 08:05 ]

フィギュアスケート オータム・クラシック最終日 ( 2018年9月22日    カナダ・オークビル )

オータムクラシック最終日 男子フリー、黒い衣装で演技する羽生(撮影・小海途 良幹)
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 羽生は全体的にはテンポよくこなしていたし、気づいたらあっという間に終わっているような感じだった。ただ、ショートに比べるとフリーはまだこなしきれていないのかなという印象も受けた。

 冒頭の2つのジャンプは素晴らしかったが中盤の4回転サルコーは跳び上がった瞬間に上半身が起き上がらず、前のめりになってそのまま転倒してしまった。続く4回転トーループもタイミングが合わず2回転になってしまい、後半に予定されていたはずのコンビネーションも1回しか入らなかった。

 恐らくシーズン初戦ということもあり、ミスをした時にどうリカバリーするかというところまでは、まだ詰め切れていないのだろう。平昌五輪を見ても分かるように、本来はとてもクレバーな選手。もっと滑り込んでこのプログラムに慣れてくれば大きな問題はないはずだ。

 新ルールでジャンプの数は1つ減ったが、演技時間が30秒短くなった分、逆に密度は濃くなった。GOE(出来栄え評価)幅も拡大され、羽生自身もどのぐらいやればどう評価されるのか、やってみないと分からない部分が多かったに違いない。新しいプログラムを完全にものにした時にいったいどんな点数を叩き出すのか今から楽しみだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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