山県10秒01でV3、桐生に快勝 次こそ9秒台「力尽くす」

[ 2018年9月24日 05:30 ]

陸上 全日本実業団対抗選手権最終日 ( 2018年9月23日    大阪市・ヤンマースタジアム長居など )

全日本実業団陸上最終日 男子100メートル決勝、10秒01で3連覇を果たした山県(手前)。右隣は2位の桐生
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 男子100メートルは山県亮太(26=セイコー)が10秒01(無風)で3年連続3度目の優勝を果たした。自己タイ記録の10秒00で3位だったアジア大会の好調ぶりをそのまま持ち込み、他を圧倒した。9秒98の日本記録保持者の桐生祥秀(22=日本生命)は10秒22で2位だった。

 好タイムではもう満足できない。10秒01で優勝した山県はゴール後に掲示板を確認して首をひねった。「9秒台より、(日本記録の9秒)98を超えたい思いが強かった」。昨年は日本歴代2位の10秒00でV。昨年まで2年連続で自己ベストを出し、好相性を自認する会場だけに自信があった。

 反省はスタート直後だけ。上体が一瞬浮き、2つ左のレーンの桐生に意識が向かった。「桐生君が前に出ると思っていた。そしたら意外に来なかった」。驚異的な加速力がある日本記録保持者は勢いがない。早々に抜け出しぶっちぎりのゴール。記録狙いで珍しく、上体を前に倒しながらフィニッシュした。「これで何かが変わるなら。また10秒00だと嫌なので」。風は無情にも±0。9秒台に100分の2秒届かなかった。

 8月のアジア大会は自己タイの10秒00で銅メダルを獲得したが、9秒92をマークした蘇炳添(中国)との差は「パワー」と感じた。帰国後に負荷が高いメニューを「ガツガツ入れよう」と追い込んだ成果が表れ、桐生には今年の直接対決3戦全てで先着。今季導入された世界ランキングは日本人最上位の21位。シーズン当初は現在28位の桐生が国内トップだったが、今では立場が逆転している。

 次戦は10月6日の福井国体。昨年、日本で初めて10秒の壁が破られ、「9・98スタジアム」の愛称が付けられた福井県営陸上競技場だ。「桐生君が出したお墨付きのスタジアム。超えられるように全力を尽くしたい」。10秒0台は今季3度目。“その時”は確実に迫っている。

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