関学大、日大に怒りの三くだり半!再回答書に“10のダメ出し”

[ 2018年5月27日 05:30 ]

会見する関学大の鳥内監督(右)と小野ディレクター (撮影・奥 調)
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 怒りの三くだり半だ。学生アメリカンフットボールの悪質タックル問題で、負傷したQBの所属する関学大が26日、兵庫県西宮市のキャンパスで会見を開き、日大から24日に届いた再回答書に対する見解と今後の対応を示した。内容に関し、関学大サイドは10項目の疑念と疑問を挙げ、タックルした選手にもヒアリングしていないずさんな調査を問題視。51回の歴史を誇る定期戦を中止し、警察機関など第三者に真相究明を委ねることを発表した。

 淡い期待も打ち砕かれた。日大アメフット部の自浄に懸け、真相究明を求めた2度目の回答書。23日の内田正人前監督、井上奨前コーチによる会見で予想できたとはいえ、関学大サイドは裏切られた気持ちでいっぱいだった。鳥内秀晃監督は誠意なき再回答書を、こう断罪した。

 「(前回の内容と)あまり代わり映えしないな、と。ホンマに究明する気があるのかと思ってしまう」

 17日の会見に続き、日大から届いた文書と関学大の所見を報道陣に公開。矛盾に満ちた内容に対し、10項目の疑念と疑問を挙げた。何より、悪質タックルを仕掛けた宮川選手に現時点でもヒアリングを実施していない姿勢を問題視。「前監督の指示とプレーに乖離(かいり)があった」とする従来の主張に対しても、「乖離があったのなら、第1(反則)プレーの後になぜ注意、指導しなかったのか」と指摘した。

 宮川選手は、18日に負傷したQBとその家族に直接謝罪。席上で持参したメモを見ながら、反則プレーに至った経緯を説明した。同席した小野宏ディレクターは当時の心証と22日の会見、指導者2人による23日の会見を吟味して、最終的な結論を出した。

 「私自身、当該選手の話に整合性や信憑(しんぴょう)性があり、真実だと思っている」

 指揮官も「当該選手が真実だと思う」と私見を明かした後で、こう続けた。「井上コーチには本当のことを言ってほしい。コーチですら監督に物が言えないような中で、教育ができるのか」。前監督に一極集中した権力構造。日大アメフット部のゆがんだ体質が騒動の温床になっていることを確信しているかのようだった。

 日大との信頼関係は崩壊し、51回の歴史を誇る定期戦は中止を決定。関学大は再々質問書を送る可能性を否定した。「これ以上、我々で調査するのは難しい。あとは第三者機関、捜査機関も含めて判断していただく」と同ディレクター。本意でない三くだり半を突きつけ、今後は司法に全てを委ねることとした。

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2018年5月27日のニュース