日本惜しいっ!2セット先取も大金星逃す

[ 2010年11月14日 06:00 ]

<日本・ブラジル>第1セット、レフトからスパイクを放つ木村

 日本が大金星を逃した。バレーボール女子の世界選手権第10日は13日、東京・国立代々木体育館などで行われ、28年ぶりに4強に進出した日本は、準決勝で世界ランク1位のブラジルと対戦。今大会のベストサーバー争いを繰り広げる木村沙織(24=東レ)のサーブなどで相手レシーブを乱し2セットを先行したものの、第3セット以降は北京五輪女王の底力に屈し、フルセットの末に逆転負けした。14日は3位決定戦で2位の米国と対戦。32年ぶりのメダルへ、総力戦で挑む。

 歓喜に沸くブラジル選手を見ることもなく、木村がタオルで顔を覆って、コートから引き揚げた。2時間39分の死闘の末、2―0から逆転負け。「今大会、一番全員の気持ちが入っていた試合だったので、悔しい」と声を振り絞った。メダルを懸けた大一番で大金星にあと一歩と迫ったことより、ただ負けた悔しさで足取りは重かった。
 データが残る93年4月以降、ブラジルとの対戦成績は5勝59敗。だが、今年8月のワールドGPで、31連敗の屈辱に終止符を打ち、きっかけはつかんだ。サーブで崩し、相手攻撃を単調にして、攻める。速いトスワークと、バックアタックも効いた。第1セットは21―20から抜け出し、第2セットは9度のセットポイントを耐える粘りを発揮。35―33で連取した。
 だが、サーブで狙ったカルバリョがベンチに下がると、流れが変わった。第3セットも16―14と一時はリードしたものの、相手サーブレシーブが正確さを増すと、より攻めに入った日本のサーブにミスが相次ぐ負の連鎖。両チーム最多の29得点を挙げた江畑も「うちが2セットを取ってからのブラジルの強さは世界一だったと思う」と肩を落とした。
 「サーブで崩せなくなったのが敗因。絶対勝つつもりでやっただけに…」と真鍋監督はため息をついたが、戦いが終わったわけではない。14日の最終日、32年ぶりのメダルを懸けて対戦するのは、世界ランク2位の米国。木村は「まだメダルを獲るチャンスがあるので、頑張りたい」と気持ちを切り替えた。28年ぶりの4強、では止まれない。本当の日本復活の証を残す、最後の戦いが待っている。

 ≪敵将も脱帽…≫ブラジルのギマラエス監督は「日本はわれわれの戦術をよく研究していた。本当に強くなっている」と話した。サーブで狙われ、センター攻撃を封じられたため、第3セット途中からゴンザーガを投入。レシーブとブロックが安定し「いつも厳しい時に使う。有効だったと思う」と話した。ゴンザーガと交代したカルバリョは「誰かの調子が悪ければ別の人がカバーできるのが、ブラジルの強さ」と話していた。

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2010年11月14日のニュース