“白鵬景気”だ!懸賞1000本超え見えた

[ 2010年11月14日 06:00 ]

土俵祭りを終え、引き揚げる横綱白鵬

 大相撲の九州場所は14日、福岡国際センターで初日を迎える。双葉山の69連勝に挑む横綱・白鵬(25=宮城野部屋)は初日に小結・栃ノ心(23=春日野部屋)と対戦するが、その一番に40本の懸賞がかけられた。地方場所の初日としては史上最多の本数となる。勝てば江戸時代の横綱・谷風の“不敗記録”63にも並ぶ。また、日本相撲協会の放駒理事長(元大関・魁傑)は白鵬が新記録の70連勝を達成した場合、特別表彰する考えを示唆した。

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 これぞ“白鵬景気”だ。初日結びの一番に懸けられた懸賞40本は、地方場所に限れば初日史上最多の本数。東京場所を含めても09年秋場所の「白鵬―安美錦」に並ぶ初日の最多タイ記録となる。
 円高の影響で日本経済は輸出企業を中心に景気の先行きに不透明感が漂っているが、相撲協会の担当者は「秋場所より懸賞は多くなりました。新規でつけてくれたところもありますから」と連勝効果を実感。関係者によれば場所を通しての総本数は、九州場所過去最多の昨年の880本どころか「1000本超え」も視野に入っているという。
 初日は120万円(手取り3万円×40本)の懸賞に加え、谷風の持つ63連勝の“不敗記録”(休み、引き分けを含む)も懸かっている。この日、福岡国際センターで行われた土俵祭りに参加した白鵬は「番付発表の時から気持ちは高まっていますが、さらに気持ちが引き締まりました」。周囲の熱気の高まりとともに、胸の高鳴りを抑えられない様子だった。
 緊張しやすい序盤の取組を乗り越え、順調に勝利を重ねれば7日目に双葉山に並び、8日目に伝説を塗り替える。放駒理事長は新記録を達成した場合について「特別表彰?その時になったら考えるかもしれない」と相撲協会として検討する考えを明らかにした。8日目には地方場所定例の理事会も開かれる予定で、九州場所担当の鏡山部長(元関脇・多賀竜)も「表彰については理事会で話題になるでしょう」と明言した。
 既に福岡国際センターの通路には、1939年1月に双葉山の連勝記録がストップした際の写真パネルが飾られるなど“連勝ムード”一色。「あれこれ考えないでやるだけですね」。71年の時を超え、白鵬の大記録への挑戦がいよいよ始まる。

 ≪チケットは残券も…≫好調の懸賞とは裏腹にチケットの売れ行きは不調だ。69連勝が懸かる7日目や8日目は販売開始から好調だったが、「売り切れ」にはなっていない。初日も升席の残券があり、鏡山部長は「初日の満員御礼もまだ分からない」と話した。近年、九州場所は例年客足が鈍いだけに放駒理事長も「世の中の景気もあり、企業からの返券もだいぶあったみたいだ。何か策を講じないといけない」と頭を抱えていた。

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2010年11月14日のニュース