今田、初の“逆輸入V”へ!絶妙の首位浮上

[ 2010年11月13日 06:00 ]

6アンダーのトップタイでホールアウトし笑顔を見せる今田

  スポニチ後援・男子ゴルフツアーの三井住友VISA太平洋マスターズ第2日は12日、静岡県御殿場市の太平洋クラブ御殿場コース(7246ヤード、パー72)で行われ、今田竜二(34=フリー)が日本ツアー初の首位に浮上した。強風の中、米国仕込みのアプローチ技を駆使して4バーディー、2ボギーの70。宮本勝昌(38=ハートンホテル)と並んで通算6アンダーまでスコアを伸ばした。石川遼(19=パナソニック)は3バーディー、3ボギーの72で耐え、通算2アンダーで首位と4打差の8位に順位を上げた。

 風速8メートルを超える悪条件でも今田は乱れなかった。4番パー3でピンまで2メートルにつけてバーディーを奪うと、5番パー4ではピン下30センチにぴたりとつけて連続バーディー。着実にスコアを伸ばした。これまで日本ツアーには8戦出場。08年のこの大会第2日の3位が最高だったが、通算6アンダーとしたこの日、初めて首位に立った。「距離感を合わせるのが難しかったが、アイアンは良かった。フェアウエーから打てれば距離はコントロールできる」。自信の言葉とともに上々の1日を振り返った。
 今田を支えているのが絶妙のアプローチだ。7番ではバンカーから1メートルに寄せてパーセーブ。8番では左ラフからグリーンを狙った第2打が前方の木に当たったが、第3打を4メートルに寄せ、フックラインをねじ込んでパーを拾った。
 今田は14歳で渡米。単身、米国で腕を磨き、08年に1勝するなど米ツアーのシード選手の仲間入りを果たした。今季も序盤にあばら骨にひびが入り、スランプが続いたが、10月には来季の賞金シードもきっちり獲得した。主戦場は米国とあって、日本ツアーに出るのは年に数回。これまでお世話になった人に恩返しをするためにも「母国で優勝したい気持ちは強い」と決意をにじませた。
 先週は中国でのチャリティーマッチに出場。その後、食あたりで一時体調を崩したが、今は影響はない。「勝つために毎年、この大会に出場させてくださいとお願いしている。遊びに来るならギャラリーで来る」。過去に日本ツアーを経ず、米ツアーメンバーとなった日本人選手が国内で勝った例はない。初の“逆輸入優勝”へ「あと2日、攻撃的なゴルフを続けたい」と決意を語った。

 <遼くん「僕とは雲泥の差」>今田と一緒に回った同組の石川は「今田さんの素晴らしいプレーは僕とは雲泥の差。スコアを伸ばせてないのは自分だけじゃないかと焦った」とリズムを乱されたことを明かした。今田のバンカーショットやロブショットにも目を奪われ「人一倍、スタンスを取って重心を下げている。参考になった」と脱帽していた。

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2010年11月13日のニュース