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平山デビュー戦ハット!代表80年ぶり快挙だ

[ 2010年1月7日 06:00 ]

<イエメン・日本>前半42分、1点目のヘディングシュートを決める平山相太

 日本代表は6日、アジア杯最終予選でイエメンと対戦し、FW平山相太(24)のハットトリックで3―2と逆転勝ち。来年1月のアジア杯本大会(カタール)に7大会連続7度目の出場を決めた。2点を先制されたものの、前半21分から出場した平山が42分、後半10、34分とゴール。03年4月16日の韓国戦の永井雄一郎以来、歴代25人目となるデビュー戦初ゴールとともに、戦後初のデビュー戦ハットトリックを達成した。岡田武史監督(53)の期待に応えた長身FWが代表入りを強烈にアピールした。

【試合結果
アジア杯予選A組勝敗表


 この男は持っている。途中出場した平山が、代表デビュー戦で驚きのハットトリック。0―2の劣勢を1人でひっくり返し、日本にアジア杯出場権をもたらした。後半34分、スライディングしながら左足ボレーで逆転弾を叩き込むと、両手を突き上げて仁王立ち。背番号81は「点を取りたいと思ってプレーした。勝って帰りたかったから、もう1点を狙っていた。勝てて良かったっス」と声を弾ませた。

 警棒と盾を持った武装警官がピッチを取り囲む異様な雰囲気。主力不在のW杯イヤー初戦で岡田監督が1トップに指名したのは、国見の1学年下で昨季J新人王の後輩・渡辺だった。だが、前半16分にMF山田が相手DFに削られ右足を負傷すると、ベンチスタートの平山は21分から急きょ出場。そのチャンスを逃さなかった。

 前半42分、MF金崎の左CK。「GKの前にいいボールが来たので合わせられた。(3点の中で)一番気に入っている」と相手DFより頭2つ分高い打点のヘディングで1点を返し、2失点で混乱する日本を落ち着かせた。岡田監督から「千真(渡辺)と中で勝負しろ」と送り出された後半10分には反転して左足シュートで同点。勢いに乗った。デビュー戦ゴールは歴代25人目、ハットトリックは80年ぶりで戦後初。オランダ・ヘラクレス、04年アテネ五輪の山本ジャパンなど、数々のデビュー戦でゴールを決めている強運男ならではの衝撃デビューだった。

 U―20W杯出場2回、五輪出場1回など各世代のエースに君臨し「怪物」と呼ばれたが、闘争心が表に出にくい性格が災いした。06年にホームシックでヘラクレスを退団。同年9月にFC東京入団後も精彩を欠き、08年北京五輪は代表から落選した。だが、昨年5月にFC東京の城福監督からサッカーへの意識、姿勢について怒られてから明らかに変わった。頭を丸め、無休で練習。昨季は自己最多26戦に出場し4得点ながら、攻守での貢献が認められA代表をつかんだ。初選出決定後もオフ返上でトレーニングを積んでいた。

 岡崎をはじめ小柄なストライカーの多い日本はポストプレーヤーが不在。だが、W杯1次リーグでは屈強なオランダやデンマークと対戦するだけに長身FWは不可欠で、決定力不足のFW陣活性化にも期待がかかる。「代表?いや、まだ全然。まだまだ自分自身を見つめてやっていきたい」。ようやく目を覚ました怪物の逆襲が、いよいよ始まる。

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2010年1月7日のニュース