藤井正弘の血統トピック

芝もダートも…血統格言「雨のキングカメハメハ」

[ 2012年1月25日 06:00 ]

 今年はリーディング王座危うし、と書いた先々週の当コラムに反発するかのように、先週末は種牡馬キングカメハメハが大爆発。関門橋S・ヒットザターゲット、AJC杯・ルーラーシップ、平安S・ヒラボクキングと、WIN5後半3レースの“パンチアウト”を含む8勝という固め打ちをやってのけた。 

 昨年4月のWIN5発売開始以降、当該週の対象レースで「3勝」した種牡馬はキングカメハメハのみ。昨年10月9日(ヒラボクキング=平城京S、タイセイレジェンド=テレビ静岡賞、ローズキングダム=京都大賞典)に続く自己タイ記録でもあった。ちなみに1頭の種牡馬が同じ日に芝とダートで重賞勝ち馬を出すというのもレアケースで、ちょうど4年前、サンデーサイレンスがAJC杯をエアシェイディ、平安Sをクワイエットデイで制して以来のこととなる。 

 前週のトゥザグローリーに続いてG2・3勝目を挙げたAJC杯のルーラーシップは別定57キロでも格が違うといった内容で、メンバー的にも順当な勝利だったが、関門橋Sのヒットザターゲットは8番人気で平安Sのヒラボクキングは10番人気。全国的に天気が崩れて馬場コンディションが悪化したことも恐らく産駒の猛チャージに拍車をかけたものと思われる。芝なら瞬発力より持続力優先となり、ダートなら決着時計が速くなることが相対的にプラスに作用するのだろう。いずれにせよ「雨のキングカメハメハ」は血統格言として肝に銘じておきたい。(サラブレッド血統センター)

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