藤井正弘の血統トピック

【有馬記念】間接的な宿敵との共闘構造楽しみ

[ 2019年12月19日 05:30 ]

 ディープインパクト、キングカメハメハという平成最後のリーディングツートップを相次いで失った令和元年は、競馬史的にも先例のない種牡馬激動の年として後世に語り継がれることになる。今回の有馬記念を血統面の切り口から新時代の幕開きと解釈するならば、ロードカナロア産駒のアーモンドアイ、サートゥルナーリア、あるいは同じくルーラーシップ産駒キセキによるキングカメハメハ父系宿願のグランプリ初制覇だろう。中でもキセキは母の父がディープインパクトという次世代モデルの“呉越同舟”配合である。

 その一方でストレートに2大内国産サイヤーの産駒による墓碑銘的決着も考えられる。すでに8年連続のリーディングを確定させているディープインパクトは、年間獲得賞金も16年の自己ベストまで7000万円足らずの差に迫っており、産駒が3着までに入れば、その時点でキャリアハイを更新する。今回はワールドプレミア、フィエールマンの新旧菊花賞馬に皐月賞馬アルアインのクラシックホース3頭出しだ。

 「種牡馬の父」に一歩引いた形のキングカメハメハも直子のダービー馬レイデオロが昨年の雪辱に挑む。同馬はディープインパクトの半姉レディブロンドの孫。間接的ながら宿敵との共闘が成立している血統は、節目の年のグランプリに最もふさわしいかもしれない。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る