藤井正弘の血統トピック

“鉄馬”の血を継ぐ未完の大器エスケンデレヤ

[ 2019年8月29日 05:30 ]

 【新種牡馬紹介(14)エスケンデレヤ】2007年生まれ 栗毛 米国産 父ジャイアンツコーズウェイ、母アルデバランライト(母の父シアトルスルー)米で6戦4勝 主な勝ち鞍はウッドメモリアルS、ファウンテンオブユースS 2歳産駒86頭。

 “アイアンホース”の異名を取った欧州の中距離王、ジャイアンツコーズウェイ後継のG1ウイナー初の輸入種牡馬。ダートでは9馬身余の圧勝だったG1ウッドメモリアルSを含めて4戦全勝の快進撃を続け、10年ケンタッキーダービーでは大本命になったが直前に故障が判明し、底を見せないまま現役を退いた。同年の世界ランキングでは3歳ダート部門のトップタイ。衆目一致の未完の大器だった。

 在米時の種牡馬成績は少々期待外れで、現3歳までの5世代でグレード勝ち馬は4頭。今年のG1メトロポリタンHを制した出世頭の4歳馬ミトレは、種牡馬業界恒例の“置き土産”といえる。父の後継では先日、北米芝最強馬ブリックスアンドモルタルの導入が報じられた。早くも尻に火がついた形で、頭数のそろった初世代のアベレージが今後を左右することになる。

 【(15)エーシンジーライン】 2005年生まれ 黒鹿毛 米国産 父ジャイアンツコーズウェイ、母レディダンズ(母の父ダンチヒ)中央、地方、障害で66戦9勝 主な勝ち鞍は小倉大賞典 2歳産駒4頭。

 こちらは父のタフさを受け継いで芝、ダート、さらには障害でも息長く活躍。自家生産用種牡馬という立場もある意味で快適だろう。(サラブレッド血統センター)

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