藤井正弘の血統トピック

遺伝力が魅力のゴールドシップ

[ 2019年7月18日 05:30 ]

 【新種牡馬紹介(4)ゴールドシップ】2009年生まれ 芦毛 日高産 父ステイゴールド、母ポイントフラッグ(母の父メジロマックイーン)日本、仏で28戦13勝 主な勝ち鞍は皐月賞、菊花賞、有馬記念、天皇賞・春、宝塚記念2回 2歳産駒78頭。

 1世代上の3冠馬オルフェーヴルと同じ“黄金配合”が生み出した2冠馬。有馬記念も制した3歳時は重賞6戦5勝、唯一の敗戦が0秒2差5着のダービーという完璧に近い戦績を残しながら、牝馬3冠のジェンティルドンナに年度代表馬の勲章をさらわれてしまった。古馬G1戦線ではそれまでの安定性が影を潜めたが宝塚記念連覇、阪神大賞典は3連覇と、阪神コースの耐久戦でルーティンワークのように勝利を積み重ね、3度目の挑戦となった6歳春の天皇賞で母の父との“隔世2代制覇”を達成。ちなみにGレース11勝は日本がパート1国に昇格した07年以降、オルフェーヴルと並ぶ最多記録である。

 毛色と競走能力に相関関係はないのだが、やはり母の父メジロマックイーンの影響を色濃く受けている印象。スタミナ特化型と誤解されがちなこの母の父は、四半世紀以上も前に芝2400メートルを2分22秒7で走破したスピード能力の持ち主でもあった。生産部門での最大のターゲットは競走馬として獲り逃したダービーだろう。14日には自身が現役時にレコード勝ちした函館芝1800メートルの新馬をサトノゴールドが快勝。遺伝力の強さを実証している。 (サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る