藤井正弘の血統トピック

【日本ダービー】令和は母父ダービー馬が主流に!?

[ 2019年5月23日 05:30 ]

 昨年の優勝馬ワグネリアンは父ディープインパクト、母の父キングカメハメハという史上初の“日本ダービー馬配合”によって生み出されたダービー馬だった。ちなみに父子2代のダービー制覇は4年連続で12組目。かつては血統リサイクルの理想形であり努力目標でもあった「ダービー馬はダービー馬から」の格言に、今や生産界の現実が完全に追いついたともいえるだろう。

 その一方で「母の父ダービー馬」のダービー制覇の先例は1969年の第36回ダイシンボルガード(母の父クモハタ=第8回優勝馬)のみ。ワグネリアンは半世紀に1度のレアケースだったわけだが、こちらも今後は加速度的に頻度が増していく可能性大と思われる。

 今年は主役を務める皐月賞馬サートゥルナーリア(母の父スペシャルウィーク=第65回)を筆頭にエメラルファイト(同)、クラージュゲリエ(母の父タニノギムレット=第69回)、タガノディアマンテ(母の父キングカメハメハ=第71回)、ナイママ(母の父ジャングルポケット=第68回)、ランフォザローゼス(母の父ディープインパクト=第72回)と、フルゲート18頭の3分の1が母の父に歴代優勝馬を持つ馬によって占められている。令和の時代は「ダービー馬はダービー馬の娘から」という新たな血統格言が生まれることになるのかもしれない。
(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る