藤井正弘の血統トピック

初体験の中山攻略へ強力アドバンテージ

[ 2018年3月14日 05:30 ]

 スプリングSに出走予定のハッピーグリンは北海道・田中淳司厩舎所属の[地]馬。地方所属馬としては東日本大震災の影響で1週遅れの阪神開催だった11年のダブルオーセブン以来、7年ぶりのスプリングS参戦となる。ハッピーグリンはダートでは地区重賞にも手が届いていない馬だが、上がり33秒3の決定力を発揮した前走のセントポーリア賞を含め、芝は3戦着外なしという並のJRAオープン馬以上の実績の持ち主。色眼鏡を外してかかりたい。

 初体験の中山コース攻略にも血統面からは強力なアドバンテージが見込める。父ローエングリンは中山記念を4歳と8歳時に2度制したほか、オープン特別のディセンバーSでも勝ち鞍がある“中山芝1800メートルマイスター”だった。競走馬としては6着に終わったスプリングSに関しても、種牡馬として5年前の優勝馬ロゴタイプを出したのは記憶に新しい。この父からスペシャリスト的なコース適性を継承している可能性は十分にあるだろう。

 地方所属馬のクラシック出走は今のところ、07年にアネモネSを勝って桜花賞に挑んだ(15着)エミーズスマイルが最後だが、同馬の父はアグネスタキオン。ハッピーグリンの母の父である。アグネスタキオン血脈には中央と地方の垣根を突破する“越境力”が備わっているとも考えられる。好勝負が期待できそうだ。(サラブレッド血統センター)

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