【JBC2021は11月3日開催】JBCレディスクラシック優勝馬サンビスタ輩出のグランド牧場の想い

[ 2021年10月24日 11:00 ]

グランド牧場
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 ダート競馬の祭典・JBC競走は11月3日、金沢競馬場と門別競馬場で行われる。

 JBCレディスクラシックは、牝馬限定のダートグレード競走では唯一のJpn1に位置づけられ、今年で11回目となる。14年にこのレースを制したのは、グランド牧場が生産したサンビスタ。その後、15年のチャンピオンズカップで牝馬として初めてJRAのダートG1を制した。今年2月にグランド牧場の4代目の社長に就任した伊藤佳洋氏(27)にとっても思い出深い1頭である。

 サンビスタが5歳だった14年当時、伊藤社長はまだ大学生だったため、牧場では働いていなかった。それでも「家業を継ぐことは考えていた」とあって、グランド牧場の生産馬が出走するときは気に留めていた。盛岡競馬場で行われた14年のJBCレディスクラシックもテレビ観戦していた。岩田康誠騎手が道中で前めにつけ、直線で抜け出して1分49秒3でレコード勝ち。伊藤社長は「サンビスタの活躍で、もっと競馬に対する興味が出ました」と振り返る。

 JBCレディスクラシックでの勝利は、グランド牧場にとって大きな意味を持っていた。サンビスタの父スズカマンボも同牧場の生産馬で、05年天皇賞・春では牧場開場78年目でのG1初勝利を成し遂げた。それから9年、やはり同牧場の生産馬だったホワイトカーニバルから産まれたサンビスタが父子でG1格相当のレースでの優勝を達成したのだ。「思い入れのある血統です」と感慨もひとしおだった。

 サンビスタは角居厩舎所属だった。角居勝彦調教師(現在は引退)はかつて、グランド牧場で働いていたことがあった。「(働いていたのは)私が生まれる前ですけど、これも何かの縁ですね」と伊藤社長。その角居師が「もう1年使ったら、いいところを獲れるんじゃないか」と引退を先延ばしにすることを進言し、結果的に15年のチャンピオンズカップでの快挙につながった。

 中央競馬で活躍する馬も数多く生産しているグランド牧場だが、伊藤社長は「うちはもともとダートがメーンの牧場」と捉えているだけに「JBCは1番、2番に大きいレース。みんなそこを目標にしてやっていたところはありますね」という。だからこそ、JBCレディスクラシックでサンビスタが勝ったことは誇りでもある。

 そのサンビスタは現在、繁殖牝馬としてグランド牧場で暮らしている。「繁殖で頑張ってくれています。今年もロードカナロアの子供(牝馬)が生まれています。本当に楽しみですね」。スズカマンボから見れば孫に当たる馬たちの活躍を期待している。

 社長業を引き継いで1年足らずの伊藤社長は、精力的に動き回っている。やりがいを尋ねると「仕事全般」と返ってきた。「でかいレースを勝つためには育成もしっかりやらないといけないし、それと並行していい繁殖牝馬を増やすこと、牧場を拡大していかなければならない。楽しくやらせてもらってますけど」。これまでに一番うれしかったことについては「レースを勝つのはもちろんですが、買ってきた繁殖牝馬の子供を高く買ってもらうこと。うちの昔からの血統で高く買っていただくときとかですね」と答えた。

 伊藤社長の父・佳幸氏(65)は社長を退き会長となったが、「ハリの達人」と呼ばれ、通常2ミリほどしか入れないササ針を5~8ミリ入れることができる。それで馬の腰痛やうっ血を治してきた。「調教師さんからも要望が来て、預かって治療をしています」。ホースマンやファンからの信頼は厚い。

 「将来的には(牡馬が)G1を勝って牧場に帰ってきて、それをつけるというのは楽しみになりますね」。生産者としての目標はとどまるところがない。

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