猿翁さん・段四郎さんお別れ会 市川中車が語る父との鮮烈な初対面“あなたは息子ではない”

[ 2024年1月28日 14:00 ]

報道陣の質問に答える市川團子(左)と市川中車(撮影・沢田 明徳)
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 昨年死去した歌舞伎俳優の市川猿翁さん(享年83)と市川段四郎さん(享年76)の兄弟の合同お別れ会が28日、都内のホテルで開かれた。猿翁さんの長男で歌舞伎俳優の市川中車(58)が取材に応じ、思いをはせた。

 猿翁さんは1968年に浜木綿子と離婚。中車は、母・浜の元で育てられた。猿翁さんとの初対面について「1990年、25歳の年。父と一度もあったことがない。このままでは父と会う機会がないのではと思い立ち、自分のことだけを考えて父に会いに行くことになりました」と振り返った。

 「春、沼津に巡業中に車を運転しにいった。父は非常に怒って、あなたは息子ではない。あなたと別れて人生が始まったと言われた」というが「ただ、私にはあなたのことを愛しているとしか聞こえなかった」と中車。

 「段四郎は太陽のように微笑んでくれた。2人とも愛していると言っているように感じた。一番幸せな日だったかもしれない。それくらい2人は対照的な対応だった。この話は時効だと思うので、最後に話させていただきたいと思います」と、大切な思い出を口にした。

 父について「偉大すぎて、まばゆすぎる。自分の中で解釈ができない。この人は偉大で怖い人なんだと思った」と語り「襲名が決まって(初代猿翁・三代目段四郎の)50回忌(追善興行)に、はがきで『日本一の富士山のような役者になれ』ともらって、それが印象に残っている」と目をうるませた。

 長男の團子には「歌舞伎界は演出はいなくて、前にやった役者が伝えるのが常。役者として(團子に芸を)下ろすことはしてもらう」と思いを託した。

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