元TOKIO・山口達也さん 芸能界引退からの5年間 最初の2年半は「本当に怖くて、カーテン閉めてた」

[ 2023年4月29日 16:50 ]

山口達也さん(提供:特定非営利活動法人ASK)
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 「TOKIO」元メンバー・山口達也さん(51)が29日、特定非営利活動法人ASKが主催する「オンライン・スペシャルトークイベント ~アルコール依存症と飲酒運転~」に出演。ジャニーズ事務所退所後、初めてのイベント出演。退所後の生活について語った。

 イベントは自身の経験を踏まえた「アルコール依存症と飲酒運転」をテーマにしたもの。ASK認定の飲酒運転防止インストラクター、依存症予防教育アドバイザーの資格を有している山口さんはアルコール依存症当事者の1人として白のTシャツと黒のジャケット、メガネ姿でイベントに参加した。

 精神科医との対談で2018年に芸能界を引退してからの5年間について山口さんは前半の2年半については「お酒をやめなければならない」という思いはあったが、「アルコール依存症なのかもわからない」状態だったと回顧。通院をし、カウンセリングは受けていたが、自助グループにはつながっておらず、「あー、やめられたのかな」と思いつつも「まだお酒を飲んだ時の感覚だったり、離脱症状があったり、いつもモヤモヤしている」状態だったという。

 「仕事もやめた直後なので、不安しかなかった。不安がまったく取り除かれていなくて、仕事をやめてもまた違う不安があった」とも。「私の場合はいろいろな人に迷惑をかけたので、外にも出られないし、昼間でもカーテンを閉めている状態で、他人にも2年半で5人ぐらいしか会ってないぐらい」だったといい、「本当に怖くて、カーテン閉めてたし、いつも誰かに見られているんじゃないかって怖いんです。外に出て、街を歩いていて、目が合っただけですごくなんとも言えない不安な気持ち。常に人に攻撃されているような、人に笑われているような、お前、ダメだよね!って常に攻撃されているような気持ちになって、暗い気持ちになった」という。ただ、体調的にはお酒をやめているため、良くなっていったといい、「心が全然晴れない。たまにジョギングとかもするんだけど、自分の心の整理もできてない。人に謝れてもいないし、やらなきゃいけないことはあるけど、人にも会いたくないし。そういうところでスリップになってしまった。我慢の2年半」と振りけった。

 そして2度目の事件を起こし、心境は変化。「バイク事故をきっかけに“(お酒を)やめるんだ!”って気持ちが変わった。“とにかく助けてほしい!”と思えた。幸い、事故ですから被害者がいらっしゃるんですけど、大きなケガもさせることなく、自分の命もいただいた。これまでの自分だったら、調子乗ってる人間だったので、“事故っちゃったけど、やべぇな、どうしよう”って(思ったと思う)。その時は酔っぱらってはいましたけど、(事故をきっかけに)本当にやめよう!って。それが自助グループにつながった。お酒がやめられるんだったら、何でもやる!ってなった」とした。

 それでも、有名人だったこともあり、「凄い恥ずかしかった」という山口さん。それでも、同じようにアルコール依存症である自助グループの仲間たちとの交流が進み、「酒飲んで逃げていたことをもう1回呼び起こして、謝らなきゃいけない人ところに会いに行って頭を下げる。会えない人には手紙を書く、電話するってことやっていくと、意外に傷つけた人たちはすごく優しくて、そこで救われる。なんで今まで酒を飲んで目をそらしていたんだろうって。逆に迷惑をかけた人に勇気づけられた。被害者の方に勇気づけられた。なんで意固地になって1人我慢してたんだろうって気付いていった。解放されて、次のことをしよう!っていうのを発見できた2年半。自助グループは大きかった」と話した。

 自助グループへの参加も最初はコロナ禍だったこともあり、オンラインでの参加だったといい、「ズームじゃなかったらまた飲んでいたかも。オンラインで助けられました」と本音も。「オンラインなので顔出しもしなくていい、名前も変えていいって。潜入するような形入った。それから心がほぐれていって、しゃべりたくなるんです。顔出ししないで声だけ発した。今度は顔出しをしよう、会ってみようってなった」と山口さん。「お酒をやめたことが入口なだけで、お酒をやめたことで自分を治していく、っていうことを一生続けていって振り返った時に、お酒止まってたね!って、そういうことなんじゃないかなって(思う)」と話した。

 山口さんは3月に「株式会社山口達也」設立し、再スタートを報告。自身の経験を踏まえたアルコール依存症者向けの講演活動や危機管理セミナーが主な事業内容といい、公式サイトには「これからは会社経営を行い、微力ながら社会貢献をしていきたい」と抱負をつづっていた。

 18年に飲酒状態で女子高生にわいせつな行為をして書類送検され、20年には酒を飲んでバイクを運転したとして道交法違反(酒気帯び運転)の罪で略式起訴された。今回の再始動について、周囲の知人は「以前のような芸能活動をするのはもう難しい。当面は、これまでの経験や資格を生かしながら講演活動などを行っていくことになるのでは」との見方を示していた。

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