豊山が持ち続けた感謝の気持ちと“神対応”の理由 ファンを愛しファンに愛された相撲人生

[ 2022年11月29日 19:40 ]

引退会見を行った豊山(日本相撲協会提供)
Photo By 提供写真

 大相撲の元幕内・豊山(29=時津風部屋)が29日、オンラインで引退会見を行った。6年半の現役生活を振り返り、周囲への感謝の気持ちを伝えた。

 「現役中は多くの方に応援していただき背中を押していただきました。皆さんのおかげでここまで取り切ることができました。本当にたくさん感謝しております。ありがとうございました」。冒頭のあいさつから豊山の人柄が表れていた。

 現役時代、本場所の取組後は勝っても負けても必ずリモート取材に現れて丁寧な対応をしていた。「報道陣の皆さんから話を聞いていただいて発信していただくということは、誰でもできることじゃないと思っていた」。関取としての責任と自覚を持った上での謙虚な姿勢。「自分が発信することによって新潟の皆さんに少しでも届けばいいなと思って対応させていただきました。お伝えいただき感謝しています」。“神対応”の原動力は、熱い応援を送る故郷・新潟に届けたいという地元愛にあった。

 「毎日がキラキラして凄く楽しい日々だったなと感じています」と振り返る充実した6年半の現役生活。その中で特に大事にしていた言葉は「ありがとう」。「感謝の言葉をたくさん使わせていただきましたし、感謝の意味を改めて教えてもらったので」と理由を説明した。角界で学んだことは「応援してくださる方への感謝の気持ちを持ち続けること」。最後までファンを愛し、ファンに愛された力士だった。


 ◇豊山 亮太(ゆたかやま・りょうた)本名=小柳亮太。1993年(平5)9月22日生まれ、新潟県北区出身の29歳。小1から豊栄相撲教室で相撲を始め、小5でわんぱく相撲全国大会3位。石川・金沢学院東高(現・金沢学院大附属高)3年時に全国高校総体8強。東京農業大2年時に全国学生選手権準優勝。3年時に全日本大学選抜宇和島大会準優勝、全国選抜大学実業団対抗和歌山大会優勝、世界選手権団体優勝。4年時に東日本学生選手権優勝、全日本大学選抜十和田大会優勝、世界選手権重量級優勝、全国学生体重別無差別級優勝、全日本選手権8強。東京農業大を卒業後、時津風部屋に入門。16年春場所、新設された三段目100枚目格付け出しで初土俵。同場所で三段目優勝。翌夏場所で幕下優勝。同年九州場所で新十両。17年夏場所で新入幕。最高位は西前頭筆頭(20年7月場所)。幕内在位26場所。幕内成績165勝215敗10休。通算成績277勝281敗10休。1メートル85、181キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2022年11月29日のニュース