安藤美姫 五輪と政治の事実知り葛藤も「それより自分の演技に感動の声がうれしかった」

[ 2022年2月24日 14:37 ]

安藤美姫
Photo By スポニチ

 プロフィギュアスケーター安藤美姫(34)が24日、フジテレビ系「バイキングMORE」(月~金曜前11・55)にリモートで生出演し、競技人生で実感した国際オリンピック委員会(IOC)と政治との関連について私見を語った。

 番組では、ドーピング違反が判明しながら北京五輪の個人種目出場が認められたフィギュアスケート女子カミラ・ワリエワの問題に絡め、英紙ガーディアンが提言したIOCの改革案を紹介。「IOCと世界ドーピング防止機構(WADA)、国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)のメンバー間の結びつきをなくす」「それぞれの組織にアスリートを33%入れる」「コーチや運営者、国が不正を行った場合、アスリートより厳しく罰せられるルール作り」といった提言だった。

 安藤は06年トリノ大会、10年バンクーバー大会と2度の五輪に出場。18歳で出場したトリノの時には、五輪の組織について理解しないまま出場したことを明かし、「この(後の)4年間で、フィギュアスケートの中だけですけど、オリンピックに政治が絡んでいると理解した上で2回目は出ました」と打ち明けた。

 事実を知って「いろいろ『そうなんだと。出る意味あるのかな?』と正直、思ったことはあります」と葛藤があったことを素直に告白。それでも、競技から得られる喜びが勝ったといい、「私はどちらかというと、そういうことより自分の演技ができたこと、自分の演技に感動してくださった方、演技を覚えてくれている人の声の方がやっぱりうれしかったので、メダルとかよりも得るものが大きかったなと思って、最終的には私は幸せな感じでオリンピックを終えられた」と明かした。

 一方で、「引退した立場から言うと、見直すべき部分は本当にたくさんあるのかなと思っているので、IOCの方たちとか、国ごとにもっとコミュニケーション取るようにしたら平等になるように思う」とも提案した。今回の件については「ワリエワ選手に批判が行ったり、精神的に追い込まれる形になったのはすごく残念。コーチだったり周りの大人の対応だったり、組織のあり方というところは、ロシアだけでなく、どの国もアスリートのために見直してほしいなという気持ちはあります」と選手目線で提案した。

 ギリギリまで踏み込んだ安藤の主張に、MCの坂上忍は「美姫ちゃん、言いたいことはもっと言いたいことはもっとあるんだけど、のみ込んだ上で詳細に答えてくれたと思う」と感謝。安藤は複雑な笑みを浮かべていた。

続きを表示

2022年2月24日のニュース