内村光良が明かす舞台裏「なつぞら」語りは「修行」息子が“なつよ”マネ「オレをバカにしやがって(笑)」

[ 2019年9月14日 08:15 ]

好評を博したNHK連続テレビ小説「なつぞら」の語りを振り返ったウッチャンナンチャンの内村光良
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 NHK連続テレビ小説「なつぞら」(月~土曜前8・00)の語りを務めるお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良(55)は、ヒロイン・奥原なつ(広瀬すず)の戦死した父親役としても、娘を見守る温かく優しい声が好評。ドラマの語り初挑戦に「修行」「孤独」「脳が疲れる」と苦労しながらも「親孝行」の喜びもあった。「最近、息子が『なつよ』って私をマネするんですよ」と笑いを誘いながらも、朝ドラの語りが家族の“潤滑油”に。週1で東京・渋谷のNHKに通った日々を振り返り、「なつよ、~」「来週に続けよ」の名フレーズなど語りの舞台裏を明かした。

 節目の朝ドラ通算100作目。大河ドラマ「風林火山」や「64」「精霊の守り人」「フランケンシュタインの恋」、映画「39 刑法第三十九条」「風が強く吹いている」などで知られる脚本家の大森寿美男氏(52)が2003年後期「てるてる家族」以来となる朝ドラ2作目を手掛けるオリジナル作品。戦争で両親を亡くし、北海道・十勝の酪農家に引き取られた少女・奥原なつが、高校卒業後に上京してアニメーターとして瑞々しい感性を発揮していく姿を描く。

 内村がドラマの語りを担当したのは初。東京にいる兄・咲太郎(渡邉蒼)に会いたいと家出した8歳のなつ(粟野咲莉)が1人河原に残され、父の形見の手紙を読んだ第9話(4月10日)ラストの語り。「こうして、なつにとって、その日は夢のような1日になりました。なつよ、私は約束通り、今もおまえと一緒にいるよ」と一人称になり、実は「語り=ヒロインの父親」という設定が明らかになった。ナレーションの“正体”が途中で分かるという異色の仕掛けだった。

 「最初の難しいところでした。途中からエノケンさん(榎本健一)の歌(「私の青空」)に行くんです。ナレーションはほぼ一発OKでしたが、歌だけはかなりテイクを重ねて録り直しをさせてもらいました。歌にはあまり自信がなくて、やっぱりドラマをぶち壊しちゃいけないので」

 「仮ナレ」と「本ナレ」、それぞれ1週(6話)分を収録。「編集の時に当てるための仮ナレを録った後、何週間後に本ナレを録って。一発じゃないんです、NHKなんで。だいたい週1でNHKに通っていました。分量によりますが、1週分を録るのに1時間半ぐらいかかります。2時間ぐらいかかった時もありました」。1階にある撮影スタジオとは離れ、収録ブースは8階にあり「本当に狭いんですよ。ヘッドホンをして、老眼鏡をかけて『なつよ』と言っているわけです。孤独ですよ」と苦笑いしながらも「アニメで言えば、ナレーションは仕上げの部分ですから、自分で締めようという気持ちでやってきました。みんなと一緒にドラマを作れた感じがして、それはよかったと思います」と一体感も味わった。

 「今回、挑戦してよかったのは、熊本の両親への親孝行です。毎朝、見てくれるので。もう耳が遠いので、字幕付きで見ていますが、そうすると『今、我が子がしゃべっている』と分かりますから」

 語りの仕事を「修行」と表現。「ブースから出てきたら、ちょっと痩せているぐらい、というのは冗談ですが、それぐらい本当に難しくて、脳が疲れるんです。『なつぞら』のナレーション録りの後が、だいたい『(痛快TV)スカッとジャパン』(フジテレビ)だったので、『スカッとジャパン』は結構フラフラして大変でした。疲れていますから、一度ちょっと楽屋で寝ますもん。ナレーションは、やっぱり魂を込めていますから」。1999年、日本テレビ「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」の企画「ドーバー海峡横断部」を、のちに「一番キツかった仕事」と語っているが「あれとはまた違って比較にならないですが、ドラマの語りの仕事は初めてだったので、本当に神経が研ぎ澄まされるというか、頭を使うという意味では毎週、頑張ったと思います。毎週、終わった後に『ふぅ』となっていましたから」

 新鮮味を失わないように、台本は自分のナレーション部分までしか読まないようにしていたため「だから、なつが(坂場役の)中川大志と結婚する時はビックリしました。東洋動画のいち社員だと思っていたので。(中川とはNHK『LIFE!~人生に捧げるコント~』で共演しており)『LIFE!』の現場で楽屋に放り込んで『おまえ、おいしいじゃねぇか』」と手荒く祝福した。

 特に思い出深いナレーションは、第83話(7月5日)。なつが生き別れた妹・千遥(清原果耶)と十勝で会えず、千遥が柴田家に残したピンクのワンピースを、なつが抱き締めるシーン。「台本には『なつよ、千遥を抱っこしてやれ』と書いてあったんですが、あそこだけはディレクターさんに頼んで『なつよ、千遥を抱き締めてやれ』に変えてもらいました。それを口にした時は悲しかったんですが、それは父親目線でもあり、『ちょっとぐらい会ってもよかったのに』という視聴者目線でもあり。ホロッときて、ちょっと泣きましたね」。一方、第58回(6月6日)、なつが喫茶リボンでオムライスを食べ、口の上にケチャップがついたシーンの「なつよ、まずは口を拭け」は「ああいうツッコミの役割の時は楽しかったですね」

 印象的なフレーズ「なつよ、~」「来週に続けよ」は脚本の大森氏が考案した。内村は「毎回の最後の『なつよ、~』が難しかったです。『なつよ』だけで終わった時もありましたね。失恋した時ですね(第107話、8月2日、坂場がプロポーズを撤回)。あの時は『なつよ』だけで表現しなきゃいけないので、特に難しかったです」と振り返った。

 大森氏も「『来週に続けよ』は途中で失敗したかなと思いましたが、今更やめるわけにもいかないので、最後まで意地でも続けます」と語っているが、内村は「半年間、毎週これをお決まりにするのは大変だと思いました。私も手を替え品を替え、いろいろ言い方でやりましたが、さじ加減が難しかったです。『来週に続けよ』というのは父親的じゃなく、ちょっと俯瞰ですからね。ただ、最終週(9月23~28日)はいい感じだと思います。『あ、なるほど』と。『来週に続けよ』を続けて、よかったと思いました。視聴者の皆さんも楽しみにしていてください」と予告した。

 “完成品”は毎朝のオンエアで初視聴しているが「それが楽しみで。ちょうど息子(13年に誕生)が出掛ける前なので、一緒に見ています。ただ、最近、息子が私をマネするんですよ。『なつよ』『続けよ』って。『この野郎、オレをバカにしやがって』」と家族団らんの様子も明かし、笑いを誘った。

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