北川悦吏子氏「半分、青い。」執筆中に「夢遊病になった」朝ドラきっかけは“盟友”岩井俊二監督

[ 2018年11月16日 19:05 ]

トークイベントを開いた岩井俊二監督と北川悦吏子氏
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 脚本家の北川悦吏子氏(56)が16日、東京・新宿のブックファースト新宿店で親交の深い映画監督・岩井俊二氏(55)のトークイベントにゲスト出演。朝ドラ脚本に初挑戦したNHK連続テレビ小説「半分、青い。」(今年4〜9月)の執筆中に「夢遊病になった」と明かした。

 「リリイ・シュシュのすべて」「リップヴァンウィンクルの花嫁」などで知られる岩井監督の最新作「Last Letter」(来年公開予定)の原作小説「ラストレター」(文藝春秋)の発売を記念したもの。「Last Letter」は岩井監督の代表作「Love Letter」(1995年)の“アンサー”のような作品になるラブストーリー。2人は長年の友人で、北川氏が監督を務めた映画「ハルフウェイ」(2009年)「新しい靴を買わなくちゃ」(12年)のプロデュースを岩井監督が手掛けた仲。

 イベント前に取材に応じた岩井監督は「半分、青い。」を「全部見ました」。難病(炎症性腸疾患、聴神経腫瘍)と闘いながらの執筆だった北川氏について「最後まで完走できるんだろうか、みんな本当に心配していました。執筆だけでも大変だと思うんですけど、放送が始まったら何やらツイッターで炎上まで始めて。火だるまになっているんで。もう大丈夫かなと思いました。心配して損したみたいな感じ。エネルギッシュな人だなと、いつも驚かされます」と笑いを誘った。

 「半分、青い。」については「北川さんの世界だなと思いました。どこ1つピックアップしても、自分の実感を込めて書いている。僕なんか物語に逃げちゃうんですが、北川さんは物語に逃げないというんですかね。物語と北川さんが一体化しているから、発言も物議を醸す。そこは最後まで貫徹していた。清々しく、彼女らしかったと思いますね」と称えた。

 観客50人の濃密な空間。開演後、北川氏は「朝ドラのきっかけは岩井さんだったんです」と告白し、感謝。あるコンサートを鑑賞した際、岩井監督が当時のNHKドラマ部長を紹介してくれ、その後、北川氏自ら企画を持ち込んだ。

 今年8月に行われた脱稿後のインタビューで、北川氏は執筆1年半にわたった過酷な創作活動を回想。3日で1話分の脚本を書き上げたが、アイデアが浮かばず、糖分を摂るあまり体重は6キロ増え「朝ドラって、精神的拷問。自分の才能がどこまであるのか毎日試されているんだと思いました」などと振り返ったが、この日も「夢遊病になったしね。夜中に勝手に起き始めて、物を食べるようになっちゃって。凄い怖かった。朝、食べたものが残っていて。フライパンで料理とかして。凄い怖いでしょ。『私、ヤバい』とか思って。旦那はクールに『(執筆が)終わったら治るよ』と。ずっと(脚本のことを)考え続けていて、頭が止まらなくなっちゃって。夢を見ても、ずっとストーリーのある怖い夢、ホラーばかり見ていました」と打ち明けた。

 2人は90分にわたり、創作について語り合った。

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2018年11月16日のニュース