仮面女子・猪狩ともか 涙のアイドル復帰 車椅子で「ただいま!」

[ 2018年8月27日 05:30 ]

4ケ月半ぶりに復帰し、メンバーと熱唱する仮面女子の猪狩ともか(撮影・近藤 大暉)
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 不慮の事故で大ケガを負い芸能活動を休止していたアイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともか(26)が26日、東京・秋葉原の「仮面女子カフェ」でのライブに出演し、約4カ月半ぶりに活動を再開した。

 2部公演のラスト曲「大冒険☆」のハイライトで、黄と赤の衣装に身を包んだ猪狩が車椅子に乗って登場。メンバーの中央で上半身をいっぱいに使い「体が覚えていた」という切れのあるダンスでフィナーレを熱唱した。

 超満員の約300人のファンに「ともか、お帰り!」と迎えられると「ただいま!」と絶叫。「この日をずっと夢見ていた。この景色が見たかった」と涙があふれ「皆さんが待ってるよって言ってくれて、リハビリを頑張る原動力になりました」と感謝を伝えた。

 今後はケガをきっかけに、活動の幅を広げると宣言。中でも大きなチャレンジになるのがパラスポーツだ。10月の「全国障害者スポーツ大会」(福井)の開会式出席が決まったのを機に決意。「車椅子の自分を生かしたい。競技は決めてないけど、いろいろと見て挑戦したい」と意気込んだ。以前から興味を抱く作詞では、年末にリリースするグループの曲の作詞が決定。「同じ境遇の方や、悩み事で下を向いてしまう人への応援ソングを作れたら」と決意を示した。

 9月2日には猪狩が大ファンのプロ野球西武が主催する、車椅子ソフトボール大会のナビゲーターに就任。同9日には西武―ロッテ戦(メットライフドーム)で昨年に続き始球式に登板する。「私が強く生きて夢をかなえていく姿を、これからも皆さんに見ていてほしい」と宣言した。

 猪狩は4月、強風で倒れた看板の下敷きとなり「脊髄損傷による両下肢まひ」と診断。一時は「何で私が…」と落ち込んだが、周囲の応援を受け懸命にリハビリに取り組んだ。現在も入院中で、9月上旬の退院を目指す。「構成も変わるので私だけの問題ではないけど、早くフルで歌いたい」と、ライブ完全復帰を目標に掲げた。

 ◆猪狩 ともか(いがり・ともか)1991年(平3)12月9日生まれ、埼玉県出身の26歳。2014年にアリスプロジェクトのユニット「スライムガールズ」のメンバーとしてデビュー。17年に仮面女子に加入した。趣味は野球観戦で、西武ファン。メットライフドームでライブを行うことが夢。1メートル54。

 ▽猪狩の事故 今年4月11日に東京都文京区の湯島聖堂付近を歩いていたところ、敷地内にあった木製の案内板(縦2.8メートル×横3.8メートル)が強風で倒れた際に下敷きに。病院に搬送され、緊急手術を受けた。瞼(まぶた)裂傷、頭部挫創、脚・肋骨・胸椎・腰椎を骨折し、脊髄損傷とその影響で両下肢まひと診断された。

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