「逃げ恥」ヒットの要因は“じれったさ”穏やかな表現に共感

[ 2016年12月21日 11:00 ]

TBS「逃げるは恥だが役に立つ」の主演を務めた新垣結衣
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 ついに最終回(20日)で初の大台超えとなる番組平均視聴率20・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、有終の美を飾った新垣結衣(28)主演のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(火曜後10・00)。エンディングの「恋ダンス」が人気となるなど、毎回話題に事欠かず、ブームを巻き起こした。ヒットの要因はさまざまあるが、恋愛ドラマの王道である“じれったさ”を穏やかに表現している点が要因の一つに挙げられる。

 失業という崖っぷちの状況から始まった契約結婚による同居、日々言葉を交わし「ハグの日」を設け、「社員旅行」に出かけたりしながら、互いにひかれていったみくり(新垣)と平匡(星野源)。ただ“ここ”というところですれ違い、最終回前の第10話でようやく結ばれたと思いきや、プロポーズの段階でやはりすれ違ってしまう…というじれったい展開だった。

 データニュース社(東京)が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)に寄せられた視聴者の感想からは「じれったい2人。不器用さが楽しいけど」(41歳・女性)「やっと心が通い合ったというのに、なかなかうまくいかないジレンマが面白かった」(52歳・女性)など、視聴者はすれ違うことにイラ立ちを感じているのではなく、応援しつつ楽しんでいることがうかがえる。

 なぜ、腹を立てずに微笑ましく見られるのか。1つは現実逃避しながらも自分の居場所を探し続ける妄想女子と、年齢=彼女いない歴のプロの独身男性という、一番縁遠そうな2人が、パズルを組み合わせるように分かり合えていく過程を丁寧に描いていることが挙げられる。

 その象徴がみくり、平匡それぞれのモノローグ(語り)。「自分の思いと人が思っていることは違っていて、だから気持ちのすれ違いが起こるんだなって思わせられる」(57歳・女性)など、すれ違いで起こる互いの摩擦ではなく、すれ違う部分を自分の中で咀嚼(そしゃく)し、納得していく。静かに、ゆっくり、時々雑音が入りながらも確実に…。2人の気持ちが交わっていくドラマの肝をモノローグが担っていた。

 「テレビウォッチャー」の視聴者満足度調査では、平匡がみくりにキスをした第6話で記録した4・43(5段階評価)は、今年放送されたプライムタイム放送のドラマで最高の数値(単回計算)を記録。最近のドラマに対し、視聴者は刺激や予想もできない展開を期待する傾向にあるが、穏やかさという逆方向のベクトルが共感を呼んだことに、2017年のドラマ作りのヒントがあるのかもしれない。

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