中村東蔵 人間国宝に認定、希望外の役者道も「流れに身をゆだねた」

[ 2016年7月15日 20:26 ]

人間国宝に認定され、記者会見を開いた中村東蔵

 歌舞伎俳優の中村東蔵(78)が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、13日に都内で記者会見を行った。

 人間国宝に認定されたということを、最初に耳にしたときの心境を聞かれると「ビックリするのは当たり前ですけど、大変嬉しかったです」と語り、「まず、私の師匠であり、芸養父である、亡くなりました六代目中村歌右衛門に報告しなくちゃと(思いました)。喜んでくださると思いますが、その反面『お前さんが文化財!?』って鼻で笑われちゃうんじゃないかと、そっちの顔のほうが大きく浮かんできました」とニッコリ。妻からも「よかった」と言葉をかけられたそうで、「喜んでくれる人がいることが嬉しいですね」と幸せそうな表情を浮かべた。

 また、女形と立役の両方を、老若、時代、世話を問わず勤める芸域の広さに定評がある東蔵は、どのような役者でありたいか問われると「役者として一番やりたいのは主役ですね。主役をやりたいと思っているうちに、そうじゃない役がどんどん来て、好きだからやっているうちに、いつの間にはなりたくない脇役になってしまいました」と笑い、「その脇役のおかげで文化財になったと思うと、悪くはないな。やっぱり流れに身をゆだねていくのもいいかなという思いです」と感慨深げに語った。

 今後については「文化財になったら、後の人に教えないといけないみたいなことを言われたんですが、教えるなんてとんでもない。私にはそんなものはないし、人に教えると自分の財産が減っちゃうような気がして(笑)。そういうことはなるべく避けております」と打ち明けて会場を沸かせた東蔵。歌舞伎界に貢献したいことを聞かれると「まったくありません。自分のことで精いっぱいでございます」と謙遜し、「私のことを見て、いいなと思うところがあったら、それが貢献していることなんでしょうけど、自分から貢献したいという思いはおこがましくて考えられません」と吐露した。

 東蔵は1938年(昭13)1月21日生まれ。姉は故・藤間紫で、幼時から舞台や映画で活躍した。61年9月、23歳のとき六代目中村歌右衛門の芸養子となり、歌舞伎座「加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」の谷沢主水ほかで三代目中村玉太郎を名乗り歌舞伎の初舞台を務める。67年4、5月、歌舞伎座「根元草摺引(こんげんくさずりびき)」の曽我五郎時致、「本朝廿四考(ほんちょうにじゅうしこう)」の白須賀六郎で六代目中村東蔵を襲名した。

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