大木凡人 難病「大動脈解離」発症…大手術で奇跡的に生還

[ 2015年5月19日 06:00 ]

難病の大動脈解離を発症しながら奇跡の生還を果たした大木凡人

 タレントの大木凡人(69)が今年1月に難病の「大動脈解離」を発症していたことが18日、分かった。スポニチ本紙の取材に応じ、大手術を経て奇跡的に生還したことを明かした。

 胸が苦しくなることが1週間ほど続いた後、今年1月19日に症状が急変。トイレから出ようとしたところ、バリバリバリと張り裂けそうなすさまじい痛みが胸全体を覆ったという。「学生時代は空手をやっていたので、痛いことには慣れていたつもりだが、こんな凄いのは初めてだった」と振り返った。

 痛みは気絶しそうになるほど激しく、それを紛らわせるために「なんだ!クソ!コノヤロー!」などと大声で絶叫しながら119番に電話。すぐに東京医療センターに搬送された。

 すぐに集中治療室で検査を受け、心臓のすぐ左にある大動脈が約60センチも破れている大動脈解離と判明。それに伴う心房細動も発症していた。同21日に、左腕と右太腿の付け根にある動脈を緊急手術した。

 親族には「左腕を付け根から切らないといけないかも」と病院側から説明があったというが、手術は無事成功した。入院生活は23日間に及び「さすがに気がおかしくなりそうでした」と話した。

 大動脈解離は、病院に着く前に20%以上が亡くなると言われる難病。「ほとんどの人があまりの痛みに気を失っちゃうんですって。お医者さんにも言われたんですけど、痛みに耐える体力が助かった要因みたい。ほんと、両親に感謝です」と語った。大木は、知人に同じ難病を患った故石原裕次郎さんの主治医がいる。「いろいろと情報をいただいたのも大きかった」と話した。

 今月22日に再検査の結果が判明する。病気になってから10キロやせたといい、「やっぱり不安ですよ」と話しながらも、今は担当医から許された範囲内でお酒を少しだけ楽しんで、生きていることを実感しているという。

 ▽大動脈解離 大動脈の内壁に亀裂が入り、内膜と外膜に分離される病気。突然発症することが多く、急性大動脈解離は急性心筋梗塞と並ぶ循環器の救急疾患。動脈壁の劣化が主な原因で、発症者の約3分の2に高血圧がみられる。新たな解離の発生など合併症も多く、手術が成功しても、血圧を低く保つ薬物療法の継続が必要になる。 

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