【スポニチ評論家座談会~大阪セ編(2)】広島は得点力に課題 巨人はベテランが力を出せれば上位へ

[ 2024年3月26日 07:00 ]

スポニチ評論家陣の順位予想
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 ※(1)からの続き

 佐々岡 広島は開幕投手に九里を早々と指名しました。

 大野 キャンプから一番ブルペンに入っていましたし、彼の気持ちを考えての指名でしょう。投手陣はいいですよ。課題は打線です。レイノルズとシャイナーの2人の新外国人がどれだけできるか、どこまで我慢できるかに注目している。田村はレギュラーを獲る力を認めたら左投手の時も使うでしょう。

 野村 やっぱり、得点力は課題だと思います。逆に先発陣はそろっている。後ろもしっかりしているし、ロースコアでも勝っていくことが必要。あとドラフト1位の常広は開幕してしばらくしたら出てくると思います。かなり、いい球を投げている。

 佐々岡 常広はキャンプでは凄いボールを投げていた。真っすぐもフォークも…。ちょっと調整は開幕には間に合わせていないですが4月、5月ごろには…。同じくやっぱり打線ですね。打順も固定できるかどうか。

 野村 新井監督は143試合で、143通りのオーダーを組むかもしれないと言っていた。

 大野 阿部新監督に代わった巨人はどうだろう。

 赤星 巨人は今年はいいと思いますね。ドラフトも含めて補強ポイントだった投手をかなり獲りましたし、阪神を退団した(カイル)ケラーはかなりやりそう。何より菅野のコンディションが見違えるほどです。

 広澤 阿部監督はどんな野球をしそう?

 赤星 守り重視だと思います。ドラフトも投手中心でしたし、すぐに門脇を遊撃に固定するなど徹底しています。矢野さんは同じ捕手出身の阿部監督の野球をどう見られますか?

 矢野 2位予想にしているのですが、オープン戦とペナントレースはまた違うので、阿部監督の野球はこれからじゃないでしょうか。あとはベテランにさしかかっている選手たちがしっかりと結果を出せるかどうかですかね。坂本、丸、菅野…。補強もしましたけど、やっぱり彼らがまだ中心のチームなので、彼らが力を出せば必ず上に来ますよね。

 大野 今永とバウアーがいなくなったDeNAは大きな戦力ダウン。打線はリーグ屈指なのは違いないが、投手陣次第でしょうね。

 野村 ヤクルトは12球団で唯一、2人の外国人選手(オスナ、サンタナ)が機能しているチームじゃないかな。あとは村上が昨年みたいな不調ではないことが条件ですが、上に行くにはやっぱり投手陣次第でしょう。あと負傷者が多いのも気になります。

 関本 皆さんと同じ意見です。DeNAとヤクルトは打線は見劣りしないので、投手陣が相当頑張らないといけないのでは。中日は逆で課題だった得点力が上がっていると思います。細川が昨年以上の働きをできるか期待したいですね。そこに石川昂が加われば…。

 能見 ヤクルトはリリーフは強いですよ。さらにトレードで西武から獲得した宮川は凄いタフでさらに厚みが増した。あと山田が今年は元気なのが好材料。

 矢野 DeNAの打線と、特に横浜スタジアムで対戦するときが一番怖かった。今年はオースティンも最初からいるし、佐野も昨年は良くなかったけど、本来の力を発揮すれば嫌ですよ。そこに新人の度会がどこまでやれるのか…。中日は高橋宏のポテンシャルを考えれば、もっとやれるはず。

 【注目の選手は…】
 大野 今年注目している選手はいる?私は広島の田村、DeNAの度会。あと巨人の佐々木がいい打撃をしていて、たくさん打席に立つチャンスが面白いかなと。

 野村 同じく広島の田村です。

 矢野 夏前には阪神の高橋遥人が戻ってくる。これは大きな戦力アップになります。ルーキーでは広島の常広がずば抜けてスケールの大きさを感じます。

 関本 阪神の門別。あとドラフト1位の下村を見てみたいのですが、下村がローテーションに入るということは、ローテーションの誰かが働いていない、順調にいっていないということなんで複雑ですね。

 広澤 私はいま母校・明大の練習によくお手伝いに行っているのですが、個人的には広島の野村からロッテの上田まで後輩たちを応援したい。

 佐々岡 やっぱり広島になるのですが田村、そして常広には10勝して新人王を狙ってほしい。あと巨人の阿部監督と話をした時に、泉口と佐々木の2人の打撃に期待していたので注目したい。

 赤星 門脇です。守備力は間違いない。あとはどれだけ打てるか。各ポジションのサブはいるのに、遊撃の控えだけつくっていないように見える。あと中日2年目の田中が2番二塁あたりでポジションをつかめるか。広澤さんと同じで、亜大の後輩なのですが、かつて中日の二遊間だったアライバの井端さん(亜大の一つ先輩)のような選手になってほしい。

 能見 さっきも言いましたが、阪神の門別の1年を追いたいですね。

 広澤 最後に一ついいですか。昨年の実績、経験値、そして戦力をみても阪神が優勝のゴールテープに一番近いのは間違いないと思う。その状況で阪神の一番の難敵は“阪神”なのかもしれないとも思う。油断と慢心。いろいろなメンタル。今の選手にそういうものはないと思うが、目に見えないものなので怖い。

 【亀山つとむ氏】昨年に日本一に輝いた阪神は、オープン戦の勝敗は気にしなくていい立場。キャンプでしっかりと個々の課題に取り組んできているし、開幕へ向けた調整が主目的でいい。中野の極端な打撃不振が目立っているが、2番打者なので四球を取ったり進塁打を打ったりチーム打撃で貢献可能だ。このオフ、巨人は投手陣、中日は攻撃陣の補強に積極的だったが、阪神は昨年とほぼ変わらないオーダー。なので唯一、心配なのが主力選手の負傷だろう。

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