【筑後鷹】ドラ4村田賢一 2軍開幕戦で6回途中1失点の好投 武器の制球力磨いて1軍先発ローテ食い込む

[ 2024年3月26日 06:00 ]

ファーム開幕戦に先発したソフトバンクの村田(撮影・杉浦 友樹)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクのドラフト4位ルーキー、村田賢一投手(22=明大)は2軍で開幕投手に指名された。15日の中日戦(タマスタ筑後)に先発。5回1/3を投げて4安打1失点と好投した。抜群の制球力を武器に打たせて取る投球が持ち味。大学の先輩で球団OBである楽天・的場直樹1軍バッテリーコーチ(46)から送られた金言を胸に、長所の制球を磨いて1軍デビューを目指す。

 試合前は緊張していた。ファーム開幕戦の先発を任された村田は初回に四球、失策で無死一、二塁のピンチを背負ったが、1軍実績が豊富な中日・岡林を併殺に打ち取って流れに乗った。6回途中1失点に「いつも通りやれることをやるという気持ちだった」と話す姿は頼もしかった。

 投手だった父の影響で野球を始めたが、自身は野手志望で自宅では夜までバットを振る日々を送った。「(父は)ホームランバッターになってほしかったんだと思います」。ただ、野手として思うような結果を残せず、中学時代に所属した東京城南ボーイズで投手の道を選んだ。

 埼玉・春日部共栄に入学すると同世代の存在に強烈な刺激を受けた。同じ01年生まれの大船渡・佐々木(ロッテ)が163キロ、星稜の奥川(ヤクルト)が157キロを記録したニュースが耳に入ってきた。「球速を追わないというわけではないですけど、(追い付くには)時間かかるだろうなと思って。勝負していくにはコントロールしかない」と制球を重視するスタイルを目指した。

 球種によって違うホームまでの軌道を頭の中で描いてから投げている。「その通りに投げられているときは(調子が)いい」とバロメーターにしている。明大に進み、東京六大学リーグ戦通算36試合に登板し、計159回2/3で与四死球は32。制球力を評価されてドラフトで指名されたが、プロの世界には上がいると春季キャンプで実感した。A組で調整する東浜、和田のブルペン投球を見学。「自分はまだまだと感じた。もっとレベルアップして磨きをかけないと」と自分に言い聞かせている。

 元鷹戦士からの金言も大事にしている。現役時代に捕手としてダイエー、ソフトバンク、ロッテで通算313試合に出場した楽天・的場直樹1軍バッテリーコーチは明大の先輩で家族ぐるみの親交がある。「自信がついてくるまでは四六時中野球のことを考えてみればいい。職業となった以上はプロとしてすべきことなんじゃない?」。プロで13年戦った選手の言葉を実践している。

 目標は1軍の先発ローテーションに食い込むこと。「結果を出さないといけない。自分のスタイルを確立していきたい」。スポットライトを浴びる日が来ると信じ、自分を磨いていく。(杉浦 友樹)

 ◇村田 賢一(むらた・けんいち)2001年(平13)8月31日生まれ、千葉県出身の22歳。埼玉・春日部共栄では3年春に選抜出場も初戦敗退。明大では1年春から東京六大学リーグ戦に登板し、通算36試合で15勝3敗。23年ドラフト4位でソフトバンクに入団。背番号34。1メートル79、91キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年3月26日のニュース