星稜が8強一番乗り 聖地に残って能登に元気を「石川県、負けんぞ!」ベンチ内で連呼 

[ 2024年3月26日 05:00 ]

第96回選抜高校野球大会第6日   星稜3―2八戸学院光星 ( 2024年3月25日    甲子園 )

<星稜・八戸学院光星>力投する星稜・佐宗(撮影・北條 貴史)
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 星稜(石川)は八戸学院光星(青森)を3―2で下して8強一番乗りを飾った。

 お立ち台を下りた星稜・佐宗翼は、はにかんだ。「こういう感じで取材を受けるのも、初めて。その…お立ち台に立つというのが緊張しました。テレビでよく見ていた光景という感じで」。マウンド上のポーカーフェースから一転、一高校生の表情に戻って、勝利の喜びをかみしめた。

 「相手に投げ勝つというか、実際に見て、本当にいい投手だなと感じました」

 プロ注目左腕に投げ勝った。1年夏、2年夏、今春と3年連続で聖地のマウンドに立った左腕。全く同じ道のりをたどっている相手先発・洗平比呂との投げ合いで粘り抜いた。最速147キロの本格派左腕とは対照的に、巧みに打たせて取る投球を展開。持ち味のスライダーがいまひとつだったため、この日は130キロ前後の直球とツーシームを軸に、時折カーブも織り交ぜて相手打線の打ち気をそらした。141球を投げ、7安打を浴びながら2失点完投してみせた。

 力強い合言葉に鼓舞もされた。「石川県、負けんぞ!」。星稜ベンチ内で連呼されたフレーズだ。「気持ちで負けてしまったら相手にのみ込まれてしまうので、気持ちは負けんという意味で。自分もそういう気持ちはありました」。直前の試合で敗退した日本航空石川ナインの分まで能登半島地震で傷ついた故郷に元気を届けるべく、懸命に腕を振った。

 選抜では2年ぶり5度目で、過去最高成績に並ぶ8強入りを果たした昨秋の神宮王者。芦硲晃太主将は「自分たちのプレーを、たくさんの石川県の方々に見てもらいたい。しっかり相手を倒していって優勝したい」と言葉に力を込めた。石川勢初の頂点、史上5校目の“秋春連覇”まで、あと3勝だ。(惟任 貴信)

 ◯…星稜が八戸学院光星との2回戦を制し、準々決勝進出。石川勢と青森勢は選抜初対戦。夏は過去2度の対戦があり、青森勢の2勝0敗だった。

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