【スポニチ評論家座談会~大阪セ編(1)】オープン戦は最下位でも岡田阪神が投手力で変わらぬ高評価

[ 2024年3月26日 07:00 ]

スポニチ評論家陣の順位予想
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 スポニチ評論家陣による開幕前恒例の座談会が開かれ、セ・リーグの順位予想では、阪神を優勝に推す意見が9人のうち6人の多数を占めた。オープン戦は3勝14敗1分けで6年ぶりの最下位で終えても、安定した投手力への評価が高かった。パ・リーグ編は、あす27日に掲載する。 (構成・畑野 理之)

 大野豊氏 昨年は阪神がダントツだった。今年も同じような戦い方をすれば連覇の可能性は高いだろうが、オープン戦は少し負けが先行。ちょっと心配しなくていけないのか、それともオープン戦だから気にしなくていいのか…という状況。今年の順位予想は、いつも以上に難かったのではなかったか。

 広澤克実氏 上位3チームは皆さん阪神、広島、巨人が占めている。

 大野 その可能性は高いと思うが、2連覇していたヤクルトが昨年は一気に5位まで後退。巻き返しはあるだろうし、中日、DeNAも含めて盛り上がるペナントレースになってほしい。

 広澤 各チームこのオフに補強はしているが決め手にはなっていない。なので投手力がいいところが上位に行くと思っていて、阪神の投手力は昨年と同等以上に見える。

 矢野燿大氏 もう選手個々が自立したチームになっている。もしも阪神がアクシデントで1人2人欠くことがあっても控えの選手、やりくりも含めてやっぱり阪神有利とみています。

 赤星憲広氏 今年も臨時コーチで宜野座キャンプに行ってきました。前監督の矢野さんの時から選手はどんどんと力を付け、昨年でみんなが自信も付けたなと感じます。オープン戦の勝敗は気にしなくてもいいと思う。開幕して最初に普通に戦えれば、力はあると思います。

 関本賢太郎氏 昨年のチーム防御率2・66はかなり優秀で、メンバーが変わっていない今年もリーグで抜けていると思います。打線は水ものですが、投手力は発揮できます。

 能見篤史氏 私も投手力で決めました。ペナントレースが始まればオープン戦の成績はゼロになりますので選手は新たな気持ちでスタートできる。若い、働き盛りの選手が多く、沈むこともないでしょう。

 野村謙二郎氏 セもパもですが、オープン戦の戦い方が変わってきている。2月後半の沖縄での試合ならまだしも、3月中旬を過ぎても主力が2打席で代わることもあったり、まだ育成選手のテストをしたり、オープン戦の勝ち負けは関係ないと思う。阪神は投手力だけではなく出塁率もいいですし、他球団が四球を出さないようにできるかにも注目している。打てなくても、四球で出塁して走って好機を広げていきますしね。

 佐々岡真司氏 阪神は今年も強いでしょうし、他球団からマークされるでしょう。広島は投手力は大きな差がない。先発ローテ6人、そして抑えの栗林につなぐ形もできてきた。

 広澤 村上と大竹は昨年台頭して素晴らしい成績を残した。2年続けて結果を出すのは簡単?それとも難しい?

 大野 2投手とも力はある。偶然ではなく勝つべくして勝った。ただ2年続けてとなると少しは心配要素ではある。球の質は変わっていなくても、まだ経験は浅いし、研究もされる。ただ逆に昨年は力を出し切れなかった青柳が今年は状態がいい。その辺の足し算、引き算はある。

 矢野 村上はコントロールのいいピッチャーなんで、ある程度、やれるでしょう。先発ローテーションは数はいますし、やりくりはできますが、それ以上に、後ろの岩崎がしっかりしてくれるのが大前提。昨年も湯浅がいなくなっても岩崎が勝てる試合を勝ちきってくれたのが大きかった。新外国人のゲラは器用そうだけど、これからかな。タイミングを合わせられて慣れられた時からどう対応していくか。外国人投手は、特にリリーフは癖やクイックなど、まだ見えないところかなと思います。

 能見 門別はローテーションに入る力はあります。最初は“7番手”でスタートしますが、誰かが結果を出さない時にすぐに入れ替わる準備をしているみたいです。ゲラは元野手だけにフィールディングは抜群にうまいし、相手打者をちゃんと理解しながら投げているので、大丈夫かなと思います。

 関本 打線はほとんど変わらない。

 広澤 セ・リーグの傾向として連覇が続いている。その理由の一つとして主軸が安定している。大山、佐藤輝、森下あたりは若いし、これからもっと上昇していける。

 赤星 欲を言えば、レギュラーを取って代わる選手が何人か出てきて欲しかったですが、寂しいかな現状では前川が左翼に収まるかどうかのみ。

 広澤 そうなんだよなあ。

 赤星 でも見方を変えれば、昨年レギュラーだった選手は爆発的な成績を残したかといえばそうではない。おのおの、まだ伸ばせる。打率3割、ホームラン20本…。みんなに伸びしろは多く残っている。例えば近本だったら打率3割以上でタイトルを争っても不思議じゃないし、大山も本塁打は20本、30本打てる。

 関本 確かに主力選手のポテンシャルからしたら物足りない数字に見えますが、でも控え選手との差は大きい。主力選手の離脱が唯一怖い。

 広澤 森下は速いボール、インハイなど弱点はまだ改善できていない。でも逆に外は強く、少しでも甘くなれば放り込める力はある。佐藤輝も相変わらず変化球待ちの真っすぐ対応ですが、やっぱりスイングスピードは速い。まだまだ課題はたくさんあるが、ケガなく1年間トータルでみれば、それなりの数字を残せる。梅野の状態が不透明ないま、チームを離れると一番困るのが坂本でしょう。

 ※(2)へ続く

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