【対談】落合氏が田淵氏に明かした「10・8決戦」の先制弾 「絶対真っすぐしかこない」

[ 2023年4月18日 18:04 ]

対談を行った落合博満氏(左)と田淵幸一氏
Photo By スポニチ

 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が18日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。YouTube開設1年がたち、新企画として対談企画「博満の部屋」をスタートした。その記念すべき第1回目は強打の捕手として鳴らした田淵幸一氏(76)を招いて対談が行われた。

 7歳違いという2人の対談。今回の動画で4本目の更新となったが、20数年ぶりの再会とは思えないほど、打撃理論から始まり、本音をぶつけあう対談となった。プロ野球通算510本塁打の落合氏と、同474本塁打の田淵氏は、人生の転機となった試合について語り合った。

 田淵氏が阪神時代の1973年に巨人のV9阻止目前で逆転優勝された思い出を話し、「野球の人生で、何の人生でも、1つの転機でさ、変わるよな」と話すと、落合氏も1994年10月8日の中日との最終戦決戦について、話した。シーズン最終戦で巨人と中日がナゴヤ球場で激突。ともに69勝60敗で勝った方が優勝する大一番は、巨人・長嶋茂雄監督が「国民的行事」とし、試合前のミーティングで「俺たちは勝つ!勝つ!勝つ!」と鼓舞。同戦で落合氏は2回に今中から右中間へ先制ソロを放ち、3回には勝ち越し打。巨人が6―3で勝利した。

 「あの時も中日がまさか今中(慎二)が来ると思ってなかった。普通、順番からいけば郭源治かなんかだった。源治が“タイトル懸かってるから投げるの嫌だ”とか言って。その年、今中がジャイアンツ戦負けていないんだよ。今中でやられたらしょうがないというものを前もって思ったのかどうか分からないけれども」と落合氏。田淵氏が「今中は癖が出てたの?」と聞くと、落合氏は「今中のカーブだけは分かった。腕の振りが弱くなったから。ただ、バッターボックスで入って見られるのはそうはいなかったと思う」と語った。

 ただ、2回の先制ソロは直球だった。「あれがエース格のピッチャーなんですよ。勝負球は何かっていうと自分で、同じ凡打を取るんじゃない、三振を取りにくるっていうタイプのピッチャー」と話した。「昔のエースって、みんなそうじゃないですか。この球を投げれば凡打するってのは分かってんだけども、“それじゃ気分が悪い”って絶対的な勝負球を投げて、それで三振を取って初めて、1個のアウトをとったっていうね。これがエースのプライドだっていうのがあったから、今中もあそこは絶対真っ直ぐしかこないなって」と説明した。

 田淵氏も「やっぱり読むっていうのは何でも大切なことやな。相手を読むっていうのは」と話すと、落合氏は「山田(久志)さんにしても、鈴木(啓示)さんにしても、必ず最後はそれ(真っ直ぐ)だから。最終的にそれを待っとけば、何とかなる」と語った。

続きを表示

2023年4月18日のニュース