大阪桐蔭・横田君 記録員でありながら“一発芸”で盛り上げるムードメーカー 夏こそきっと背番号を

[ 2023年4月1日 07:15 ]

第95回選抜高校野球大会第11日・準決勝   大阪桐蔭5―7報徳学園 ( 2023年3月31日    甲子園 )

<報徳学園・大阪桐蔭>試合前、西谷監督(左)と話し込む大阪桐蔭・横田記録員(撮影・須田 麻祐子)
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 【いっちーの球春胸キュン日記】「大阪桐蔭に行く!」。記録員の横田春輝君(3年)の幼稚園時代の口癖です。北海道出身の投手。小学6年時にはファイターズジュニアで4番打者も務める二刀流でした。

 有言実行して入学した大阪桐蔭には、「一番のお手本」がいました。「おまえ、どう投げる?俺どうなってる?」――。前田悠伍君とブルペンで交わす会話が最高の“成長促進剤”。努力を重ねてメンバー争いにも食い込みましたが、名門校の背番号は簡単には手に入りませんでした。

 そこで「勝利に貢献したい」と一念発起。メンバーに入れない時は記録員として戦うことを決断すると、主将の前田君から「一発芸やってくれへん?」と依頼を受けました。

 連覇した昨秋の明治神宮大会の決勝戦前にも大爆笑を誘い任務を全う。ベンチから見つめた歓喜の輪には「一番うれしくて、一番悔しい日」と複雑な思いもこみ上げましたが、今は自らのベストを尽くすのみです。今大会初戦の前にこん身の芸を披露した際には、緊張の色が見えるメンバーを「あと4試合分ネタを用意したから、全部披露させてくれよ!」と鼓舞。前田君から「おもんな!」の“誉め言葉”を引き出し、ムードを和らげました。

 前田君は準決勝敗退後「一番、そばにいてくれてありがたかった」と、こうべを垂れました。その横田君は「夏に向けてスタートしています」。夏こそはグラウンド上で笑顔の花を咲かせてみせます。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。今春に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。野球選手の障害予防が専門。

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2023年4月1日のニュース