ソフトB・栗原 新4番が完全復活 吠えた!開幕V弾「野球っていいなと思いましたね。楽しい!」

[ 2023年4月1日 06:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク4―0ロッテ ( 2023年3月31日    ペイペイD )

<ソ・ロ>6回、3ランを放ち吠える栗原(撮影・岡田 丈靖)
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 新4番と“新エース”が躍動!プロ野球は31日、10球団が今季開幕戦を行った。ロッテをペイペイドームに迎えたソフトバンクは、初の開幕4番に座った栗原陵矢外野手(26)が6回、右中間へ先制の決勝1号3ラン。昨年左膝を手術した主砲の完全復帰を告げる一発だ。初の開幕投手となった大関友久投手(25)も7回2安打無失点と大役を果たし、チームは7年連続で白星スタートを決めた。

 投手戦の均衡を破った打球の飛距離は125メートルの表示。文句なしのアーチだったが興奮して全力疾走し、叫んだ。0―0の6回無死一、二塁。先発・小島のフォークを振り抜き決勝1号3ラン。一塁を回る前後に「ヨッシャー、オリャー、オー、ホーウ!」と1人で騒ぎ続けていた。

 「大関が頑張っていたし何とか点を取りたいなと。気持ち良かったし、幸せでした」

 お立ち台で感慨に浸った男は昨季、開幕5番。今季は「4番・三塁」で戻ってきた。2回先頭でチーム今季初安打となる中越え二塁打も放った。鷹の新4番としてマルチ安打発進。「(意識は)何もない。しっかりやるべきことをやるだけ」とおごらない。

 開幕の3月31日。1年前は、失意のどん底にいた。昨年の3月30日のロッテ戦。外野守備で交錯し翌日に佐賀市内の病院でMRI検査の結果「左膝前十字じん帯断裂」の診断。「一番、なってほしくない結果。受け止めないといけなかった」。そんなとき、甲斐から携帯メールが届いた。思わず泣いた。

 「全力プレーの中のケガ、時間を戻せるなら戻したいだろ?だから、人に迷惑をかけて、お世話になって必ず戻ってこい」。先輩の言葉は1年たっても忘れていない。約束通りに1年で戻って、また感慨に浸った。「野球っていいなと思いましたね。楽しい!」。

 栗原の決勝打は吉兆でもある。コロナ禍1年目だった20年6月19日、無観客での開幕はロッテ戦。「2番・一塁」でプロ初スタメンをつかんだ栗原が延長戦で決勝打を放った。そこからチームはリーグ制覇、日本一につながっている。今季初のV弾も、3年ぶりのV奪回を誓うシーズンを占う一発のはず。さらには開幕7連勝を収めた藤本監督の声も、弾んでいた。

 「サイコーでしたね。もうね、点が入らない中ね、4番が打ってくれてね、ベンチがにぎやかになったね。開幕ダッシュのための1勝は大きい!」。初の開幕投手となった大関は7回を零封し、新副主将の新4番、栗原がバットで決める。まずは、理想的な開幕星となった。(井上 満夫)

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2023年4月1日のニュース