大経大の高代延博新監督がリーグ戦初陣飾る 絶妙アドバイスで満塁弾呼びこんだ

[ 2023年4月1日 17:29 ]

関西六大学野球春季リーグ第1節   大経大5―1京産大 ( 2023年4月1日    南港中央球場 )

試合前にシートノックを打つ大経大・高代延博監督
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 23年1月1日付で就任した大経大の高代延博新監督がリーグ戦の初陣を飾った。打線が2本の本塁打で5点を奪い、投げては津田淳也(4年)、林翔大(3年)の継投で京産大打線を押し出し死球による1点に抑えた。

 「ピッチャーがよく粘ってくれたことに尽きるね。こっちも向こうもミスがあったから」

 大経大は7回まで毎回安打を放ちながら、初回に元山晶斗(3年)が放ったソロによる1点のみ。一方、京産大も6回までに毎回の10安打を放ちながら、拙攻でホームが遠かった。

 指揮官は8回1死満塁の好機で右打席に向かう石平創士捕手(2年)を呼び止めて耳打ちした。「引っ張ろうという気持ちは持つな」――。石平は初球の変化球にうまく合わせ、左翼ポール際に飛び込む満塁本塁打になった。結果的に引っ張る打球になったが、指揮官の助言が見事に実を結んだ。

 「言葉というのは難しいのでね。“変化球を狙え”と言うと、ボールになる球まで振ってしまうから」

 1978年ドラフト1位で日本ハム入りし、89年限りで引退後は広島、中日、オリックスなどでコーチを歴任。2013年のWBCでは侍ジャパンのコーチも務めた。芸術的と称されたノックは健在で、この日も精力的に打球を打ち分けた。

 「教えたいことはいっぱいある。勝ったことはうれしいが“まだまだ”というのがこれからも続いていくと思う」

 ウイニングボールをバッグにしまい込んだ68歳の新監督は、次戦に向けて意気盛んだった。

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2023年4月1日のニュース