「丸くなった」阪神・岡田監督 15年ぶりタテジマで勝利!「グーよりパーが強い」歓喜の“パータッチ”

[ 2023年4月1日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神6―3DeNA ( 2023年3月31日    京セラD )

<神・D>開幕戦を勝利で飾り、青柳(左)らナインとハイタッチをかわす岡田監督(撮影・北條 貴史)
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 プロ野球は3月31日、5球場で開幕戦を迎え、阪神・岡田彰布監督(65)はDeNAに競り勝ち、15年ぶりの猛虎復帰戦を白星で飾った。開幕遊撃に抜てきした小幡竜平内野手(22)が4打数3安打2打点の活躍。ランエンドヒットを絡めて効果的に得点を積み重ね、18年ぶり「アレ」を目指し、力強く第一歩を踏み出した。

 改革の象徴といえる二遊間が活躍した。こんなにうれしいことはない。岡田監督がタテジマのユニホームで15年ぶりの白星をつかんだ。8回に2点差に追い上げられ、9回も1死満塁。「最後の3イニングは長かった。嫌な予感がしたよ。去年のシーンが頭をよぎった」。評論家として目の当たりにした7点差逆転負けの昨季開幕戦の悪夢を振り払い、逃げ切った。

 キャンプから木浪と競わせ、開幕遊撃に抜てきした22歳の小幡が攻守で輝いた。4回は佐野のライナーを好捕し、粘り強い打撃で4打数3安打2打点。特に8回の適時打が効き、「あの1点が凄く楽にした」と褒め称えた。二塁にコンバートした中野も初回に美技。「本当にいいプレーがあった」と守り勝つ野球を体現した2人への賛辞を惜しまなかった。

 選手で16年、監督では今年が9度目の開幕戦。特別であることに変わりはない。前夜は「あんまり眠れんかったわ」と午前2時ごろにようやく眠りに落ちた。オリックス監督時代の12年以来、11年ぶりのペナントレースを前に自然と胸が高ぶった。

 変わったこともある。就任後初めてグラウンドに立った昨年10月24日。甲子園の一塁側アルプスに主力投手を集めて青空ミーティングをし、「俺は丸くなった」という意外な?自己紹介で厳格な印象を抱いていた選手を驚かせた。

 オープン戦でもイメージと異なる姿を見せた。ベンチから「ここは粘るところや」「頑張れ頑張れ」など大声で鼓舞。以前を知るコーチ陣は「昔は違った」、初めて接する選手たちは「あんなに声を出すなんて」と目を丸くした。65歳で迎えた監督復帰1年目。息子よりも年齢が離れた選手たちとの距離を縮めようと、厳しさを軸としながら、新しい“岡田像”を打ち出してきた。

 開幕戦でも盛り上げに一役買った。試合開始前の出陣式で「グーよりパーが強い。ハイタッチはパーでいこう」と提案。緊張気味だったナインのムードを大きく盛り上げ、勝利の列では全員でパーのハイタッチをして喜びを分かち合った。「143分の1だけど、負けるより貯金一つをつくった方がいい」。両リーグ4人の新監督では唯一の白星発進。05年の前回リーグ優勝に導いた手腕に円熟味を加え、再び頂点を見据えた。(倉世古 洋平)

 《5276日ぶり》○…阪神は21年以来2年ぶりの開幕戦勝利。岡田監督が阪神を率いてのシーズン勝利は、08年10月19日、中日とのCSファーストステージ第2戦(京セラドーム)以来5276日ぶり。岡田監督の阪神監督として15年ぶりの指揮は、村山監督の16年ぶり(72年→88年)に次ぐ2番目に長いブランク。

 ▼阪神・小幡 緊張して、ふわふわしていた。やることをやるだけ。勝てて良かった。(第2打席で12球粘って中前打)しっかり投手に向かっていけた。

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2023年4月1日のニュース