広島・新井監督 屈辱の初陣 たった3安打…29年ぶり開幕零敗「全体的に硬かったかな」

[ 2023年4月1日 06:30 ]

セ・リーグ   広島0―4ヤクルト ( 2023年3月31日    神宮 )

<ヤ・広>報道陣に囲まれて引き上げる新井監督(撮影・長久保 豊)
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 プロ野球は31日、前日に先行して行われた日本ハム―楽天戦に続き5試合が行われ、全12球団が開幕した。広島は敵地・神宮でヤクルトに0―4で敗れ、94年の巨人戦(東京ドーム)以来29年ぶりの開幕戦零敗を喫した。小園を1番に入れた打線は散発3安打と沈黙。5年連続5度目の開幕投手を務めた大瀬良も、5回2失点の好投実らず村上の一発に屈した。今季から指揮を執る新井貴浩監督(46)は初陣を飾れず、きょう1日の2回戦で雪辱を誓った。

 敵地・神宮の左側を真っ赤に染めた赤ヘル党の歓声は最後まで響かなかった。1959年の2安打に次いで少ない開幕戦3安打。これでは94年の巨人戦以来、通算6度目の開幕戦零敗は免れない。黒星発進となった新井監督は淡々と振り返る。

 「開幕戦ということもあって。独特の緊張感があるんでね。全体的に硬かったかな」

 オープン戦最終戦となった26日のソフトバンク戦で試した小園1番を本番でも実行した。22歳にとってはプロ1年目の19年6月21日のオリックス戦以来、1379日ぶりのリードオフマン。だが、意気込みは空回りし、4打席無安打に終わった。

 気を吐いたのは3番・秋山だ。試合前は「シーズンは思うようにいかないことの方が多分多い。僕たちは家族だから、喜怒哀楽を共有し、一つになって頑張っていきましょう」と声を発したベテランはチームで唯一、マルチ2安打を放った。

 ただ、初回の走塁は痛恨だった。2死から左翼線安打で出塁し、敵の先発・小川がマクブルームに2球目を投じる前に二盗を狙って憤死した。早すぎたスタート。34歳は反省しつつ、長いシーズンを見据えて前を向く。

 「強いチームだし、仕掛けていかなきゃいけないという話もあった。もう少し精度が上がれば。でも、ああいう場面で怖がらずにどんどんいくチームカラーでないといけない。チームとして攻め込めるように、明日もチャンスがあれば」

 6回には敵失で出塁した先頭・菊池が、代打・田中の右中間への飛球(中飛)で二塁を大きく回り、帰塁できずに併殺。“ゲッツー”は3個を数えるなど、勝利への闘志が空転してチグハグな攻撃となった。ファンに白星を届けられなかった開幕戦。新井監督は言う。

 「アキ(秋山)の場合は勝負していいと言ってあるから。何年やっていても開幕戦は独特の緊張感があるから。でも、やっぱりいいなと思いますね。日常が帰ってきたな…と」

 悔しさを押し殺し、スタンドから声援を送ってくれたファンへの感謝に、リベンジの思いを込めた。143分の1。切り替えて、1日の2回戦で初勝利をつかみ取る。

 《田村、1軍初出場初Hはお預け》○…高卒2年目の田村が待望の1軍初出場を果たした。0―4の9回1死から代打で登場。右腕・星がカウント2―2から投じた外角低め直球に手が出ず、見逃し三振に倒れた。「オープン戦と違った緊張感があった。(相手の)フォークが頭にありすぎた」。今春キャンプからアピールを続け、初の開幕1軍切符をつかんだが、初安打は次戦にお預けとなった。「今日打席に立って、緊張感を得られたのはプラスに考えたい」と前を向いた。

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2023年4月1日のニュース