福島敦彦氏 報徳学園が一枚上だった接戦の対応力 7番・林ら下位が機能することで上位の刺激に

[ 2023年4月1日 07:15 ]

第95回選抜高校野球大会第11日・準決勝   報徳学園7―5大阪桐蔭 ( 2023年3月31日    甲子園 )

<報徳・大阪桐蔭>7回、報徳・林は2点適時二塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 【福島敦彦の迫球甲子園】2試合連続タイブレークでサヨナラ勝ちしている報徳学園の接戦への対応力が大阪桐蔭を上回った。3、7、8回の得点機に全て安打を放った7番林君をはじめ下位打線が機能することで上位打線の刺激になった。攻撃で良い形をつくれたことでチームとして“やれる”機運が高まった。3番堀君と4番石野君以外の各打者は長打力で劣る一方、ミート力が高い。その確率の高さが連打を含めた集中打につながっている。

 春2連覇を狙った大阪桐蔭は昨年同様の圧倒的な力がなかった。本来なら5点を先制し突き放すはずが、4回以降は無得点。相手の戦意を喪失させることができなかったのが、敗戦につながった。夏に向け、チームとして、いい課題ができたと思ってほしい。

 決勝戦は独特の雰囲気で想像以上に重圧がかかるだけに、終盤までもつれるはず。山梨学院は4番高橋君を筆頭に攻撃力自体は報徳学園を上回るものがある。エースの林君が5試合に先発し準決勝で142球を投げたことが唯一の不安材料。持ち前の制球力の良さが、終盤に強い報徳学園打線に狙われる可能性もある。報徳学園は継投となるであろう3投手の出来が鍵。ビッグイニングをつくらせず最後まで見応えある攻防を期待したい。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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2023年4月1日のニュース