後ろから!前から!横から!松坂氏!西武臨時コーチ初日に全方向から選手チェック

[ 2023年2月12日 05:30 ]

投球練習する隅田を見つめる松坂臨時コーチ(撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 西武OBの松坂大輔氏(42=スポニチ本紙評論家)が11日、宮崎・南郷の春季キャンプで臨時コーチとして指導を開始した。ブルペンでは隅田、佐藤隼、大曲らに熱視線。スライダーの投げ方などアドバイスを送るシーンもあった。14日までの4日間、臨時コーチを務め、「平成の怪物」のエキスを古巣の後輩に注入する。

 視線の先には、昨季1勝10敗に終わった2年目左腕がいた。松坂臨時コーチの初日。「自分は後ろからも、前からも、横からも見たい。角度によって動きの違いが分かる。いろんな角度からいろんな体の使い方を見て(現役時代は)参考にしていたので」。隅田の熱のこもったブルペン投球。松坂コーチが選んだポジションはプレート板の右後方、「斜め45度」の角度だった。

 絶好の位置から体の動きをチェックし、一球一球に鋭い視線を送る。この日は直接のアドバイスはなかったが「気になっていることはある。豊田(投手)コーチにも話はした」。さらにブルペンでは大曲、佐藤隼に自身の現役時代の得意球・スライダーの投げ方などを助言。フリー打撃登板を終えたボーにも左足の踏み出し方などを伝えた。午前9時前に球場に到着し、周囲が夕闇に包まれ始めた午後5時まで8時間超。古巣のグラウンドコートに身を包み、臨時コーチとして忙しく、充実の時間を過ごした。

 「やっぱり何か…、いいですね。選手の皆さんに元気をもらえるし、“また(現役で)やりたいなあ”という気持ちで見させてもらった」。21年限りでユニホームを脱いだが、気持ちは現役時代と変わらない。「自分がうまくなるために(選手を)見ているような気がする。野球がうまくなるヒントを探しながら見ていきたい」と笑顔で話した。

 「(自身の現役生活は)結果を出した時もあるし、半分以上はケガとの闘いだった。僕にしか経験できていないこともあるので」。臨時コーチは14日まで。松坂コーチは自身の貴重な経験を惜しみなく伝授するつもりでいる。今後、隅田に直接アドバイスを送るケースもあるという。斜め45度に続いてはどの角度から熱視線を送り、チェックするのか。この日、南郷には今キャンプ最多3000人のファンが集まった。誰もが楽しみにしていた4日間が始まった。(鈴木 勝巳)

 ≪3年目・大曲が志願 “切る”感覚学習≫松坂臨時コーチに助言を求めるため、3年目右腕の大曲は志願のブルペン入り。「(スライダーは)“切る”感覚を教えてもらった。曲がりが大きいので小さくしたい」と目を輝かせた。2年目左腕の佐藤隼もスライダーについて「手首をひねらないイメージ。去年までは曲がりが膨らんでいたので直球から曲がる軌道にしたい」と課題を見つけた。ブラジル出身で日系3世のボー・タカハシは、日本に住んでいた親戚から西武時代の投球動画が送られてきたこともあったそうで、憧れの存在。「下半身の使い方を教わった。大好きな選手で、絶対会いたいと思っていた」と夢のような時間を過ごした。

続きを表示

2023年2月12日のニュース