入来祐作氏が号泣「まだ心の整理はついていない」 突然の兄との別れ 入来智さん通夜

[ 2023年2月12日 18:29 ]

<入来智さん通夜>入来智さんの祭壇の前に立つオリックス・入来祐作コーチ(撮影・尾崎 有希)
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 10日に交通事故のため死去した入来智さん(享年55)の通夜が12日、宮崎県都城市の平成会館でしめやかに営まれた。弟の祐作氏(50=現オリックス投手コーチ)は突然の兄との別れに沈痛な面持ちで、報道陣に応対した。

 「急なことですから、僕もまだ心の整理がついていない。父親が一人残りますので、それが気がかりというか、心配というか、僕らはまだ若いですから、僕も弟も頑張れますけど、父が心配だなと、今はそればっかりですね」とし、智さんとの思い出については「オールスターに一緒に出られたことですね。バトンを渡せて照れ臭かったけどうれしかった」と涙を流し、声を詰まらせながら話した。「人騒がせな破天荒な人だった。コーチ業をやらせてもらっていて、兄貴以上の破天荒な人はいないので、どんなやつが来ても大丈夫。兄貴のおかげでどんな人とも付き合うことができる」と独特な表現で、兄への感謝の思いも口にした。

 平成会館には、智さんの死を偲び、巨人、ヤクルト、オリックス、巨人でともにプレーした清原和博氏、ヤクルトの石川雅規投手らの供花が並んだ。さらに、智さんの現役時代のものとみられるユニホームや写真なども並べられた。

 祐作氏は11日未明に兄の訃報を受け、オリックスのキャンプ地・宮崎市から実家がある都城市へ向かい、病院で対面。祐作氏は1月31日に父・喜門さん、兄・智さんと3人で都城市の母の墓参りをしたときの写真を自身のインスタグラムに投稿していた。それから10日後の突然の別れだった。

 智さんは89年ドラフト6位で近鉄入団。99、00年には祐作氏とともに巨人でプレーし、球団史上初の兄弟での現役選手同時在籍で「入来兄弟」として話題を呼んだ。近鉄、巨人、ヤクルトで投手として活躍して通算35勝。01年にはヤクルトで自己最多の10勝。古巣・近鉄との日本シリーズでは第3戦に先発して勝利投手になり、日本一に貢献した。同年初出場となったオールスターでは球宴史上初の兄弟リレーも実現。韓国、台湾球界を経て04年限りで現役を引退した。

 事故は10日午後9時50分ごろ、宮崎県都城市野々美谷町の信号のない交差点で発生。通りかかった人が「畑の中に車が落ちている。50代ぐらいの男性の意識がありません」と110番通報。入来さんは病院に運ばれたが、午後11時45分ごろ死亡が確認された。都城署によると団体職員の男性(33=東京都葛飾区)が運転する乗用車が、入来さんが乗っていた軽自動車の右側運転席に衝突。入来さんの車は衝撃で近くの畑に落ち、前部がへこんで大破していたという。11日にNPBで最後に所属したヤクルトが、死因は重症頭部外傷と発表した。

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