1軍合流へ前進 阪神ドラ1森下、超異例の“一人紅白戦”で実戦デビュー「100%のプレーができた」

[ 2023年2月12日 05:30 ]

紅白戦2試合目   白組1ー0紅組(特別ルール) ( 2023年2月11日    宜野座 )

阪神の紅白戦2試合目、白組の森下は3回に二塁内野安打を放つ(投手・岡留)(撮影・後藤 大輝) 
Photo By スポニチ

 阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)が11日に超異例の「一人紅白戦」で実戦デビューし、“プロ初安打”も放った。沖縄・宜野座キャンプ第3クール3日目に組まれた1、2軍合同紅白戦は4イニング限定の2試合目に紅組「9番・DH」で出場。2回表に一度もスイングせず四球を選び、岡田彰布監督(65)の配慮で3回裏には白組「9番・DH」で登場して二塁内野安打で応えた。2度の走者でも右太腿肉離れからの回復を確認し、1軍合流へ前進した。 

 森下が今春最多8000人の観衆を集めた宜野座村野球場でひときわ大きな拍手を浴びた。2軍主体の紅白戦2試合目。紅白どちらにも加わる異例のデビューを初安打で飾った。

 「お客さんもスゴく入っていて独特な雰囲気の中、自分の中ではできる100%のプレーができたので良かったかな、と。一球(一球)に関してスゴく歓声が湧く。やっていて楽しい」

 白組の攻撃だった3回1死。紅組仕様のビジター用ユニホームで打席に立ち、カウント2―1から145キロの内寄りの直球を二塁右へ。高寺のグラブをはじき、「H」ランプをともした。中大1年春に東都1号を放った岡留(当時亜大)から再び“初”を決めた。

 「(2打席目は)急きょ決まった。いい当たりではなかったけど、ああいうヒットがチームの勝利につながったりする。スゴくいい結果だった」

 先発は紅組「9番・DH」。2回2死一塁で迎えた初打席はカウント3―1から高めを見極めて四球を選んだ。「全球打ちにいって見逃せた」。一度もバットを振らずに一塁へ歩いた。ドラフト1位のフルスイングを見たい――は球場にいた全員の思い。当然、首脳陣も、だ。

 岡田監督からは「(打席が)回ってこなかったらアカンから」と白組へ“移籍”する指示が出た。もともと白組の先発オーダーは8人。融通の利く紅白戦ならではの配慮で2打席目をもらい、しっかり結果で応えた。

 右足の回復も順調だ。2度とも走者に立ち、初安打後は植田の遊ゴロで二塁へ右足を伸ばしてスライディング。「無理はしすぎずにやっている」と慎重に段階を踏んでいることを強調した。背番号1の前任者、鳥谷敬氏とも初対面。「あいさつをして、グータッチをして。機会があれば、いろんなことを聞いてみたい」と今後の交流を心待ちにした。

 12日の紅白戦は9イニング制の1試合。白組DHで途中出場を予定し、2軍では参加を見合わせていたシートノックで右翼に就くことも決まった。ゴーサインが出れば、第4クールの14日から1軍に合流できる。「プレッシャーを感じず最善を尽くしたい」。2・11。確かな第一歩を踏み出した。(石崎 祥平)

 ◇森下 翔太(もりした・しょうた)2000年(平12)8月14日生まれ、神奈川県出身の22歳。東海大相模では1年夏から中堅手としてベンチ入りし、3年春に選抜出場。高校通算57本塁打。中大では1年春、4年春にベストナイン。1メートル82、90キロ。右投げ右打ち。

《他球団も警戒》

 ▼DeNA新沼慎二スコアラー 体つきが凄い。うちの牧の肉付きに似ている。スイングが強そうだという印象を受けた。ここから実戦を経てどうなるか。しっかり追っていきたい。

 ▼巨人樽見金典スコアラー ビッグスイングで、大きいのを打つんだろうなという第一印象。打線に入ってきたら、当然厚みは出る。ミエセスとの兼ね合いになるのかな。

 ▼ヤクルト石堂克利スコアラー 現時点では、しっかりした体つきくらいしか言えない。評判を聞く限りでは、パンチ力があるような感じがする。

続きを表示

2023年2月12日のニュース