広島・新井監督 負けても試合後観客にあいさつ ファンも「家族」 全てを共有し、頂点目指す

[ 2023年2月1日 05:00 ]

キャンプ地の日南に到着しミーティングを行う広島・新井監督(球団提供)
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 プロ野球は1日、西武を除く11球団が一斉に宮崎と沖縄でキャンプインを迎える。広島の1軍は1月31日、陸路で1次キャンプ地の宮崎・日南入り。新井貴浩監督(46)はミーティングで、本拠地での勝利後にのみ行っていた観客へのあいさつを、敗戦後も実施すると異例の伝達。選手はもちろん、ファンも巻き込んで家族愛を強固にしながら、頂点を目指す決意を示した。

 前日30日に46歳の誕生日を迎え、一夜明けで4時間半の大移動。新幹線とチャーターバスを乗り継いで、選手やスタッフとともに1次キャンプ地の宮崎・日南へ入った新井監督は、身の引き締まる思いを抱いていた。

 「引退後の4年間は普通の誕生日だった。今は誕生日に“始まるな”と感じていた現役時代と似た感覚かな。少し緊張感のある」

 到着後に宿舎で始まったミーティング。開幕後はチームの勝利を最優先に考え、勝つためにどうするか…が判断基準になるとナインに訓示した。異例の伝達もあった。ホームでの試合後に行う観客へのあいさつ。新井監督ならではの着目点だ。

 「選手を家族と表現するけど、ファンも一緒。うれしい時も悔しい時も、楽しい時も悲しい時も、ファンと全てを共有し、頂点を目指して頑張りたい気持ちがある。だから“勝った時だけじゃなく、負けた時もあいさつするぞ”と伝えた」

 昨季までは勝利後にのみ実施していたが、今季は敗戦後もグラウンドに整列し、ファンにあいさつする。「働いたお金でチケットを買ってくれた人、テレビの前で応援してくれる人、そういう方々にも感謝の気持ちを伝えたい」と説明した。

 選手、ファンの家族愛をより強固にする新たな試み。応援ルールなどの制限緩和も後押しする。マスク着用など感染対策をすることを条件に、4年ぶりに復活する声出し応援。日南キャンプでは、指定エリア内でのブルペン見学も可能になる。
 「大歓迎。プロ野球選手なので見られてなんぼ。僕が現役の時もそうだけど、声援に背中を押してもらった。励みにも力にもなるので、凄くうれしい」

 球春到来のキャンプイン。守護神・栗林につなぐ7、8回のセットアッパーをどう組むかなど、開幕までに解決すべき課題は少なくない。4年連続Bクラスからの巻き返しへ。苛烈なサバイバルのゴングが鳴る。

 「みんないい顔をしているし、“明日からやるぞ”という目をしていた。キャンプ、オープン戦でどういうものを見せてくれるか、楽しみにしている」

 選手とファン…一体の強固な家族愛が、新指揮官が目指すリーグ制覇、日本一への道程を明るく照らす。

 ≪開幕投手は「全くの白紙状態」≫新井監督は開幕投手について初めて言及し、「まだ全然考えてない。今は本当に全くの白紙状態」と強調した。昨季まで4年連続で開幕投手を務めている大瀬良を筆頭に、手術明けの森下、床田ら複数の候補が控えており、「動きや表情やらを自分が感じながら投手コーチ、ヘッドコーチに相談して、決めていくことになると思う」と見解を示した。

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2023年2月1日のニュース