広島・菊池 機動力復活へ先頭に立つ! 盗塁数増やして新井野球体現だ「もっと走れるように」

[ 2023年1月10日 05:00 ]

静岡市で自主トレを公開し、ロングティーで汗を流す広島・菊池
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 広島の菊池涼介内野手(32)が9日、静岡市で新春の自主トレを公開した。新井監督ら首脳陣と若手選手のパイプ役に名乗りを上げ、プレーでも“家族”を引っ張ると誓う4年契約の最終年。指揮官からは2000安打達成指令を受けており、そこに込められた無言のメッセージを胸に刻みにつつ、機動力野球復活でも先頭に立つ意気込みだ。

 1月とは思えない暖かな陽(ひ)が降り注ぐ清水・庵原球場。菊池は後輩の羽月、矢野、阪神・熊谷らとともに、8日から自主トレをスタートさせた。声を掛けながら内野ノックを受け、ロングティーなどで精力的にバットを振る。表情は明るい。

 「若い子に伝えられることは伝え、逆に気付いたことは言ってもらって、新しい自分に気付けたらいい。いいスタートを切れるようにやっていきたい」

 24日までの17日間。攻守を鍛えつつ、重点的に取り組むテーマがある。「走る量を増やしていきたい。長い距離もそうだけど、短い距離も注文があると思うので」。2月のキャンプインに備え、若ゴイ2人と一緒に例年よりも走り込む予定だ。

 新井監督からの注文だった。「耳にタコができるぐらい話していただいた」。14年に23盗塁の実績がある菊池でも、近年は企図数そのものが減った。心機一転。指揮官が掲げる機動力野球復活の方針を踏まえ、走りへの意欲を再びかき立てる。

 「走る準備は毎年してきた。もっと走れるように。野手では僕が一番やらないといけない。しっかり引っ張らないといけない」

 現役時代に兄貴と慕った先輩が監督に就任し、年末の契約更改の席で首脳陣と若手をつなぐパイプ役に名乗りを上げた。加えて、今回の機動力野球でも先頭に立つ宣言。今季に懸ける思いがにじむ。新井監督の発言が一つの契機になった。

 「励みというか、指令というか。通過点と言われたことは“もっとできる。おまえ、頼むぞ”というふうに、僕は受け止めている」

 昨年12月の名球会イベントで指揮官は、2000安打を射程圏内に捉える菊池、秋山に「通過点にしてほしい」とエールを送った。言葉の裏に込められたメッセージを敏感に察知した32歳は力を込める。

 「だからこそ、試合に出ないといけない。コンディションを整えないといけない」

 個人記録達成のためではなくフォア・ザ・チーム。新井カープ誕生元年、菊池が先頭に立って“家族”を引っ張り、勝利へと導く。

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2023年1月10日のニュース