ソフトバンク入団 有原航平という男

[ 2023年1月10日 15:23 ]

2016年北海道美瑛町で斎藤佑樹と人命救助した有原(当時日本ハム)
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 感情を表に出さないマウンド上のポーカーフェースの印象が強い。だが、心優しい正義の人でもある。

 日本ハム入団2年目の16年11月、イベントで北海道・美瑛(びえい)町を訪れた時、雪道でスリップして一回転した車を発見。同乗していた斎藤佑樹と一緒に氷点下の中、事故現場まで100メートル走って運転席のドアを開け、運転していた男性を助け出した。

 自分が好投してもチームが負ければ「悔しい」と口を開かない。早大時代から「四球の少なさが野手のリズムをつくる」と、常に周りを生かす投球を心がけていた。

 日本球界でのハイライトは15勝で最多勝を獲得した19年シーズンだ。だが、そこまで順風満帆ではなかった。日本ハム入団後も右肘痛、右肩痛などに苦しんだ。プロ1年目に新人王に輝き、2年目の16年から2年連続で2桁勝利を挙げるも18年は8勝止まり。抑え転向も経験した。
 19年シーズンの変化を当時の高橋憲幸投手コーチが証言した。

 「仏頂面でいるより、周りの野手と話したりして精神面をコントロールできるようになった」

 年齢とともにマウンドで余裕も生まれた。憧れだった米国挑戦は右肩動脈瘤の手術などの影響もあり、満足な結果とはいえない。その悔しさもバネに新天地ソフトバンクで、苦しんでまた成長した姿を見せてくれるだろう。

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2023年1月10日のニュース