新人7選手は“焦り禁物” 阪神・岡田監督が指令「1月中はアピールするな」「つまらないケガするな」

[ 2023年1月10日 05:15 ]

テレビのインタビューに答える阪神・岡田監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神の新人合同自主トレが9日、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で始まり、視察した岡田彰布監督(65)は新人7人に向けた訓示で「1月中はアピールするな」「つまらないケガをするな」の2大“するな指令”を出した。右足コンディション不良のドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)、発熱の影響で大事を取った同2位・門別啓人投手(18=東海大札幌)が初日から別メニューとなったが、キャンプインの2月1日に向けて焦り禁物を説いた。

 岡田監督は新人への訓示で、プロの厳しさを説くのでもなく、死に物狂いの努力の必要性を訴えるわけでもなかった。鳴尾浜球場のグラウンドで対面した若虎に「本番は2月1日」と強調すること3度。1月中は「無理してアピールする必要はない」と語りかけた。

 約2分間のスピーチの終盤には「つまらないケガをするな」とも説いた。気がはやるルーキー心理を読んで、手綱を引く言葉に終始した。

 「1月中はアピールするな」と「つまらないケガをするな」の2大指令。約1時間半の視察を終えた後、選手、コーチ、監督としてプロ野球界を長く渡り歩いた指揮官が、その意図を説明した。

 1つ目の指令は、プロ生活の最初の1カ月の過ごし方の心得と言えた。「今までの選手はみんなそうだけど、(新人合同自主トレで)いいところを見せようという気持ちになるのは当たり前でね。そうじゃなしに、今の姿を見せてほしいっていうかね。2月1日に万全な体で来てくれたら」。別メニュースタートになった右足コンディション不良の森下、入寮後に発熱した門別には念を押す形で、焦り禁物を呼びかけた。

 2つ目の指令は、今後のプロ生活を見据えて送った言葉でもあった。「ちっちゃいケガは1年間やっていたらある。でも長くかかるケガというか、不注意のケガは自分のマイナスになるだけでなく、チームのマイナスにもなるわけだから、そのへんは注意を怠らずにやってほしい」。故障を未然に防ぐためにも、体の異変や不調を感じれば決して隠さないように――と説いた。

 球団行事を1つ重ねるごとに、タテジマのユニホームを着て迎える15年ぶりのシーズンへ「始まるなあ、始まったなあという感じはあるよな」と気持ちの高まりを感じている。その言葉で「岡田イズム」を注入し続け、戦う集団をつくりあげる。(倉世古 洋平)

 《新打撃コーチ内定の今岡氏と意見交換》新打撃コーチに内定している今岡真訪氏も鳴尾浜球場を訪れ、新人合同自主トレ初日を視察した。1軍でコンビを組む水口コーチとも長く言葉を交わす場面もあった。岡田監督も意見交換したことを明かし、「1軍で預かる人数とかちょっと話したけどな。初めてのコーチじゃなく経験しているから。心配していない」と春季キャンプからの指導に期待を寄せた。

 《平田ヘッドは森木、前川にハッパ》平田ヘッドコーチが高卒2年目を迎える森木、前川の2人にハッパをかけた。この日、新人合同自主トレが行われた鳴尾浜球場を視察。昨年まで2軍監督の立場として指導した2人がグラウンドに姿を見せると、さっそく声をかけ「1年たつとたくましくなるね。落ち着きが出てきている」と成長に目を細めていた。

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2023年1月10日のニュース