中畑清氏 FA補強なき巨人 若手底上げ&中継ぎ陣整備に期待

[ 2023年1月10日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】年が明けて野球の話題と言えば、もっぱらWBC。巨人のいい話が上がってこない。OB会長としては寂しい限りだよ。というわけで2023年最初のキヨシスタイル。我が巨人軍に応援メッセージを送りたい。

 去年は68勝72敗3分けと2年連続で負け越し。5年ぶりのBクラス、4位に沈んだ。オフは積極的に動くだろうと思っていたら、2年続けてFA補強がなかった。

 FAで過去12球団最多の28選手を獲ってきた巨人。原監督の時代だけ見ても、優勝を逃したオフにはFAで補強し、結果につなげてきた。

 4位に沈んだ06年オフは小笠原(現3軍打撃コーチ)、門倉を獲得して翌07年からリーグ3連覇。2年連続3位に甘んじた11年オフには村田(現ロッテ打撃コーチ)、杉内(現3軍投手チーフコーチ)を獲得し、翌12年からこれまた3年連続リーグ優勝している。

 4年連続V逸を受けて3度目の監督復帰が決まった18年オフには丸と炭谷(現楽天)を獲って翌19年からリーグ2連覇したんだ。

 このオフ、補強が全くなかったわけじゃない。広島から無償トレードで長野が戻ってきて、ソフトバンクを戦力外になった松田を獲得。現役ドラフトでは楽天からオコエを獲った。それぞれ期待はしているけど、劇的に打線を変えるイメージは持てない。

 あとはウォーカー1人を残した外国人。新しい人が何人か決まっているけど、こればっかりは見てみないと何とも言えない。巻き返しに向け、期待感が膨らむような動きが残念ながらほとんど感じられなかった。

 でも、モノは考えようだ。勝って当たり前の戦力を持ったチームより応援のしがいがある。

 求められている結果はただ一つ。原監督も覚悟はできていると思う。9度のリーグ優勝、3度の日本一。監督通算1220勝は巨人史上最多。実績は申し分ない。その手腕でいかにFA補強なきチームを優勝へ導くか。

 原監督が新たに招いた大久保打撃チーフコーチに岡本和再生をはじめとする若手の底上げ、阿波野投手チーフコーチには先発から抑えの大勢までつなぐ中継ぎ陣の整備を期待したいな。(本紙評論家・中畑 清)

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2023年1月10日のニュース