広島・玉村が“一発快投”、4回無失点で開幕ローテ入りゲット「自分の意思と一致する球投げられた」

[ 2022年3月10日 05:30 ]

オープン戦   広島2ー2阪神 ( 2022年3月9日    甲子園 )

<神・広>4回無失点の力投で先発ローテ入りを決めた玉村(撮影・平嶋 理子)
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 広島・玉村昇悟投手(20)が9日の阪神戦で4回2安打無失点と好投し、自身初の開幕ローテーション入りを確定させた。無四球と本来の制球を取り戻して不振脱却。小林ら先発入りを争う候補たちが軒並み崩れる負の流れを止めて、一度の好投で首脳陣を認めさせた。

 嫌らしいほどに四隅を突き続ける玉村が戻ってきた。今春5度目の実戦にして初の無失点。制球力が持ち味ながら無四球も今春初だった。「やっと、それなりの投球ができました…」。初々しい笑顔も久しぶりに咲いた。

 初回先頭の近本に左前打、続く糸原の打席で暴投による二進を許した。これまでなら修正できずに崩れていく展開。「コーナー、コースに投げ切ると決めていた」と慎重だった。真ん中付近への失投は一度もなく、糸原を遊ゴロ、マルテを二飛。佐藤輝はカウント2―2からの外角スライダーで空振り三振に仕留めた。4回1死無走者では佐藤輝に内角直球を2球続けてから外角直球で見逃し三振。内外角への直球の投げ分けで勝負できるほどに制球がさえていた。

 「持丸がすごく良いリードをしてくれて、僕は投げるだけだった。いろいろと意識を変えたりして、ようやく自分の意思と一致する球を投げられた。良かったかなと思います」

 高卒2年目の昨年5月から先発ローテーションを守った経験を買われ、開幕ローテ入りの有力候補として今春を迎えた。しかし制球、切れともに本調子とは言えず、前回2日のDeNA戦では3回5失点と炎上した。それでも首脳陣は、先発機会を奪うことなく復調を待ち続けた。

 待望の好投に佐々岡監督は「前回とは直球が違い変化球も低めで勝負していた。修正ができていた」と安どし、残り2枠だった開幕先発ローテーションについて「そういう(残り1枠になったという)こと」と事実上、玉村を入れることを認めた。その上でラスト1枠を小林と遠藤で競わせることも明言した。

 「やっとアピールできた。これからまた、やるべきことを積み重ねて、しっかりやっていきたいと思います」

 昨季のような期待値込みでの起用ではない。制球に苦労する他の先発候補との差を示し、自身初の開幕ローテ入りをつかみ取った。(河合 洋介)

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2022年3月10日のニュース