ポニーリーグ東広島 4月開幕の関西地区予選に初参加 「パルクール」で身体操作性高めた選手たちに注目

[ 2022年3月10日 19:07 ]

パルクールに取り組む東広島ポニーの選手たち
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 中学硬式野球のポニーリーグ・全日本選手権関西地区予選は10チームが参加して、4月3日から開幕する。チーム増に伴い、今大会から東西の2地区に分割。昨年4月に創部された東広島は西ブロックで初陣を迎える。 東広島ポニー

 「チームとしての人数が揃ったばかりですが、スタートラインに立てたことが大事。ミスは山ほど出ると思いますが、最後まで試合をあきらめることなく頑張って経験をつんでほしい。下級生がミスしても、上級生がうまくカバーしてくれたらと思います」

 高島誠代表が声をはずませた。今春、新たに8人の新1年生が入部。3学年で12人となり、初の公式戦参加が決まった。

 チームが熱心に取り組むメニューの一つが、「パルクール」だ。手すりほどの鉄パイプの上を、バランスを取りながら歩いて行く。当初はぎこちなくとも、慣れてくれば片足での屈伸もできるようになってくる。フランスの軍事訓練が発祥とされ、選手は毎回30分ほど取り組む。オリックスやメジャーのナショナルズなどでトレーナーを務めた高島氏は、導入した狙いを次のように明かしてくれた。

 「我々の頃と違い、今の子供たちは無茶な遊びをしていません。その分、運動能力の低下が見られるのですが、危険をリスクマネジメントすることに特化しているパルクールに取り組むことで、リスクマネジメントが自然と備わってきます。つまり、うまく体を動かせる術を身につけられるのです」

 野球に置き換えてみる。一塁悪送球を見た打者走者が切り返しで二塁を狙う際、足をひねって捻挫、骨折するケースが近年は増えてきた。リスクマネジメントを備えていれば、そこで上手く転倒しケガを回避できる。もちろん、野球の技術向上につながっていることは、言うまでもない。

 高島氏は、シニアやボーイズの中学硬式チーム、進学校ながら広島の強豪として知られる武田などでも指導に携わってきた。上達のエッセンスを詰め込んだ練習時間は土日でもわずか3時間。野球に携わった経験のあるものなら、その短さは驚異的に感じるだろう。

 「集中してやるので、長くやることはありません。長くやればやるほど、体重だけではなく筋肉が減るので体も大きくならない。でも、2年後は今から楽しみですよ」

 栄養学、英検の勉強などもあり、従来にないスタイルで選手たちを育成する方針を打ち出している。きめ細かい指導を心かげていることから、1学年のメドは10人前後。技術だけではなく人間力の向上にも重きを置く高島代表のもとで、新しい時代の野球を学ぶ選手たちに注目だ。

 東広島ポニー(higashi.hiroshima.pony@gmail.com)

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