第6の男や!阪神ドラ3・桐敷 開幕ローテ入り決定的 ガンケルが腰の張り訴え

[ 2022年3月10日 05:30 ]

笑顔でポール間走を行う阪神・桐敷(撮影・北條 貴史)
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 阪神のドラフト3位・桐敷拓馬投手(22=新潟医療福祉大)の開幕先発ローテーション入りが9日、決定的になった。金村暁投手コーチ(45)が甲子園球場で取材に応じ、腰の張りを訴えていた昨季9勝のジョー・ガンケル投手(30=米国)が、開幕に間に合わないことを明言。これにより、「先発第6の男」に、ルーキー左腕が浮上した。

 先発ローテーションの一角として期待されていた来日3年目のガンケルの開幕ローテ入りが絶望的になった。金村投手コーチがこの日、現状を説明した。

 「開幕には間に合わないと思っています。焦らず、万全の状態で1軍に帰ってきてくれることが一番」

 右腕は、キャンプ中に腰の張りを訴え、2月27日のヤクルト戦、3月6日の楽天戦の先発を、2戦続けて回避していた。この日はブルペンに入り、投げられない状態ではないものの、首脳陣は長いシーズンを見越して無理をさせない方針を決定。キャンプを含めてまだ1試合も対外試合に投げていないことから、矢野監督も「(ガンケルを)慌てて開幕に合わせるとは思っていない」と語り、実戦で段階を踏ませて調整させる考えを示した。

 当初、ガンケルは開幕シリーズのヤクルト3連戦(京セラドーム)に先発すると見られていた。昨季9勝の実力者の出遅れにより、ローテ6人も再編を余儀なくされる。ここまでの投球結果、内容を総合すると、青柳、西勇、伊藤将、秋山、藤浪に続く“第6の男”に浮上するのは、ドラフト3位の桐敷だ。ヤクルト戦2、3戦目の登板が有力視される。

 ルーキー左腕の歩みは上々だ。ガンケルの先発回避で回ってきた6日の楽天戦は4回1安打無失点、3奪三振に抑え“初勝利”を挙げた。打者の左右を問わず、直球で内角を突ける制球力が光った。

 甲子園デビュー戦であるとともにプロ初先発という緊張のマウンドで「最初は驚きや緊張があったが、いざ試合になれば自分の投球をすることを考えていて、それは出せた」と強心臓ぶりを発揮。実質の先発テストで好投し、中継ぎとの両にらみ起用を考えていた指揮官を「先発で足りないところはあまりないかなと思う。十分やれると思う」とうならせていた。

 桐敷の他にも小川、村上、二保らが先発要員としてスタンバイ。加えて、10日に合流する新助っ人右腕のウィルカーソンも、仕上がり次第では、開幕に間に合う可能性もある。シーズンに不測の事態は付き物。ピンチをチャンスに変えてこそ、道は開かれる。(倉世古 洋平)

 ◇桐敷 拓馬(きりしき・たくま)1999年(平11)6月20日生まれ、埼玉県出身の22歳。本庄東では1年秋からエースも甲子園出場なし。新潟医療福祉大では1年秋からリーグ戦に出場し通算11勝。4年秋の平成国際大戦でリーグ初の完全試合を達成。21年ドラフト3位で阪神入団。1メートル78、90キロ。左投げ左打ち。

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