見ていて応援したくなる 巨人・湯浅が見せた元気と「5年目」の覚悟

[ 2022年3月2日 09:00 ]

巨人・湯浅
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 巨人の宮崎キャンプ、2軍のひむか球場にはいつも大きな声が響いていた。声を出していたのは5年目の湯浅大内野手(22)。サーキットトレーニングや小笠原2軍打撃コーチ名物の長さ107センチ、重さ1・8キロのマスコットバットを使用したロングティーなど、メニューがきつくなればなるほど、その声は特に目立っていた。

 「気持ちいい選手になりたいですね、誰が見ても。やろうと思ってやるんじゃなくて、無意識でも声は出せるので。誰が見ても楽しそうだな、という感じを出して、見ている人に見せたい」

 見ていて応援したくなる選手だ。きついメニューの時には、周りの選手にも積極的に声をかける。大卒新人選手と同学年の湯浅は2軍キャンプに参加していた育成ドラフト1位の鈴木大(北海学園大)らを鼓舞し、盛り上げていた。「なかなか距離が縮まらない」と苦笑いしていたが、初キャンプの緊張をほぐそうとする気遣いも見せるなど、大きな存在感を放っていた。

 元気だけでなく覚悟も見せた。練習後の手はテーピングだらけ。「(マメが)できたらバットを振れないので、できないように予防」と言いつつ「自主トレで結構振っていたのでもう硬くなっている。いつもはできやすいが、今年はあまりできない」と練習量に胸を張った。休養日も「(コロナ禍で)やることないんで練習しちゃいました」と照れ隠ししたが、休日返上。今年にかける思いは強い。

 昨季は守備固めや代走を中心に33試合に出場し、プロ初安打もマーク。さらなる飛躍へ「自分の立ち位置を考えて。やるべきことをやって開幕から1軍で1年間戦えるように」と出場機会を増やすため、小学校低学年以来という外野にも挑戦。キャンプでは「少しでもチャンスがもらえるならチャレンジしたい」と全体練習後の特守で松本2軍外野守備走塁コーチから、一歩目の切り方や捕球姿勢など基礎から学んだ。

 「5年目なので、やらないとダメだと思っている」と湯浅。1軍定着へ、なりふり構わずアピールを続ける。(記者コラム・小野寺 大)

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2022年3月2日のニュース