【広島・黒原-大野氏対談(上)】背番24に恥じぬ活躍誓う「自分の背番号なんだということを胸に置いて」

[ 2022年3月2日 06:00 ]

<広島 黒原×大野氏対談>背番号「24」の大先輩・大野豊氏(左)とユニホームを手に笑顔の黒原 (撮影・奥 調)
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 春季キャンプを終えた広島ドラフト1位・黒原拓未投手(22=関学大)と球団OBで本紙評論家・大野豊氏による「新旧背番24」対談が実現した。黒原は24番を継承する活躍を約束し、日南キャンプで授かった同氏からの助言を振り返るなど開幕に向けての収穫を明かした。(取材・構成=河合 洋介)

 大野 1年目の春季キャンプが終わった。初の対外試合だった19日の巨人では3者連続三振。巨人戦からクイックではなく、ゆっくりと右足を上げるようになったよね。日南では「足をゆっくり上げて投げないの?」とチラッと話させてもらった。もちろんコーチではないから参考程度としてだけど。

 黒原 大学4年の時の形だったクイックで、まずはやってみようと。その結果、打者にとってはタイミングが合わせやすく、打たれ始めると同じリズムになって止まらないというデメリットがあるな…と感じました。大野さんや佐々岡監督ともお話をさせていただいて、足をゆっくり上げるようにしました。

 大野 クイックだと黒原投手の本来の魅力に欠けるな…と感じたんだよね。体や下半身を使い切って投げるんだという感じには見えなかった。非常にもったいないな…と。あれだけ力のある球が投げ切れるなら、足を使えば、もっと力が伝わるのではないかと。足を上げて間(ま)をつくると、打者のタイミングをずらすこともできる。そうなれば、将来的にも黒原投手の成長につながるのではないか…と思って少しだけ伝えさせてもらいました。

 黒原 足を上げることで、打者にとってはタイミングの合わせづらさが生まれたと思います。(巨人戦は)直球が走っていたので、ある程度打者も直球を意識していたと思うんですけど、それでもファウルになったりしていた。そういうところで足を上げて投げるメリットを感じました。

 大野 自分らしい球が投げられていた。このまま足をしっかり上げようと思っている?

 黒原 そうですね。あとは精度を高めて、タイミングやバランスを自分の体に染みこませていくことが大事になってくると思います。

 大野 いまの方が黒原投手の自分らしさを出せるフォームのような気がするんだよね。

 黒原 自分もそう思います。自分らしい直球もそうですし、カットボールも以前のように投げられています。

 大野 話は変わりますが、背番号は24番ですね。どうですか?

 黒原 大野さんがつけられていた番号をつけることができてうれしく思いますし、スゴく好きな番号になりました。この番号を背負い、いい成績を残せるようになりたいです。

 大野 昔は私が24番をつけていましたけど、いまの24番は黒原投手。24番の一つの顔ですから。24番は黒原投手と言われる投手になってほしいですね。

 黒原 僕もそういう気持ちでやらせていただきたいと思います。みなさんに知っていただけることが成績を残した証になると思っています。24番は、いま自分の背番号なんだということを胸に置いて、これからやっていきたいと思います。

 大野 カープの背番号24番をつけている選手はやっぱり気になる。河内や横山といろんな選手がつけてきたけど、今年からは黒原!これから黒原投手が長く背負う番号になるように活躍してほしいなと思います。

 ▽大野氏と背番号24 大野氏は76年ドラフト外で広島入り。背番号は77年が60番、78~79年が57番で、80年から引退する98年まで24番を背負った。その後、24番は左腕に受け継がれ、99年ドラフト1位の河内貴哉が00~09、12~15年、スタルツが10年、15年ドラフト2位の横山弘樹が16~19年に使用した。

 ※対談(中)に続く。

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2022年3月2日のニュース